わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。

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読者の皆様、如何お過ごしですか？
あなたの街の老犬・老猫サポーター老犬介護士の杉原真理です。

秋の大型連休も過ぎ、台風の季節も過ぎ、朝方もすっかりヒンヤリするようになってきましたね。
長くお世話になっていた冷房ともお別れして、しばらくは、動物達と共に過ごし易い季節になりましたね。
そして、食欲の秋、、、動物達の体重管理だけでなく私達自身の体重も気になる季節です。
お気をつけ下さいね。

さて、今回のテーマですが、「『奇跡』を信じて？！」です。
それでは、お話を進めたいと思います。

以前、８歳でまだまだシニアの駆け出しといった、ある小型犬のワンちゃんをお預かりさせて頂いた時のことです。
そのワンちゃんは２年前にヘルニアになり、それ以降後ろ足が麻痺していて、前足２本で這うように歩いていました。そのため、おしっこも自力で出すことができず、飼い主さんが１日４回から５回、圧迫排尿をしておしっこを出していたのです。
そこで、お預かりした時にも、大体４時間ごとに圧迫排尿でおしっこを出す介助をしていました。

さて、ある時いつもの様に「そろそろ時間だな」と思いワンちゃんのところに行くと、ペットシーツにおしっこが少し多めに付いていました。
時々、ちょっとずつ出ることはあったのですが、今回はいつもより量があったので「え？！」と思ったのでした。

そして、圧迫排尿するためにワンちゃんを抱っこしようとした時、勢いよくおしっこが出たのでした。
「あれ、まだ膀胱に触って（圧迫して）いないのに？！」
疑問に思いながらもいつものように介助をしておしっこを出していると、何かいつもと違うことに気づいたのです。
「あれっ、（麻痺しているハズの）後ろ足で蹴っている？？？」
そこで、夕方に飼い主さんが来られた時に私がこのことをお話をすると。。。
「そうなんです。最近、後ろ足を蹴る行為が時々あるんですよ。」
とおっしゃったのでした。

現在、後ろ足に関して特に動物病院に掛かっていなくて、家でマッサージなどされているわけでもなかったのですが、この「変化」にびっくりされたそうです。その後、飼い主さんから
「今でも、もしかししたらまた歩けるようになるんじゃないかって、（奇跡を）信じているんですね。」
と少し微笑みながらおっしゃったのです。

さて、介護のお仕事をしていると、時々、こういう事ってあるんですね。余り長くない、と言われていたのが、回復して元気になるなど。。。結構ありました。そんな時、いつもこう思うんです。
「動物の生命力って未知な部分がまだまだあるんだな。」
このワンちゃんは、今、まだ８歳です。小型犬で８歳といえばまだまだシニアになりたてで、これから、まだまだ長生きをする年齢です。今回、飼い主さんの「奇跡」を信じる気持ちが、これからの動物介護生活にとって、心身共に大きな支えになってくれると確信しています。

ワンちゃんご帰宅の時、飼い主さんとお話しながら、前足で何事もないかのように元気に歩いているワンちゃんをみて、「この『奇跡』」。。。私も信じたい！」そう思ったのでした。
読者の皆さんも、その場にいたらきっとそう思わずにはいられないと思いますよ。

では、今回はここまでと言うことで、次回、またお会いしましょう！