わんちゃんねこちゃんの介護の現場より
第14回「クララが立った?!」
堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。
読者の皆様、如何お過ごしですか?
あなたの街の老犬・老猫サポーター老犬介護士の杉原真理です。
そろそろ梅雨も終わっていよいよ暑い夏の季節となりました。ジメジメする梅雨も嫌でしたが、アスファルトからの反射熱が強く、裸足のワンちゃん達にとって散歩もやり難い時期になりますね。
読者の皆さん、暑さ対策は大丈夫ですか?
さて、今回のテーマですが、「クララが立った?!」です。
またまた、意味不明なテーマでスミマセン。ただ、私と同じ世代以上の方は何となく、ピンと来られたのではないでしょうか?それでは、お話を進めたいと思いますね。
ある日、ある高齢の大型犬(老犬)の飼い主さんから初めてのお電話でのお問合せがありました。
「先日、手術したんですが、それから○○が立てなくなったので週に1回~2回、体を綺麗にするために訪問(介護)に来ていただけないでしょうか?」(補足)○○は、愛犬の名前になります。
その飼い主さんは私の自宅兼事務所から比較的近いということもあり、翌日、早速、老犬ちゃんの状態確認とヒアリングのため訪問させて頂いたのでした。
訪問すると、、、その老犬ちゃんは15歳で、なんと体重が30kgもある大型犬だったのでした。
そして、先日、前足のつけね辺りを手術されていて、手術範囲が広範囲だったため、まだ少し出血が見られました。
ただ、特に足腰の病気はお持ちでないということで、貧血気味からか足先は少し冷たかったのですが、後ろ足は感覚もしっかりしていて触ると足をよく動かしていましたね。
ただ、飼い主さんは、
「立たせようとするんですが、全く後ろ足が立たないんです。。。」
とおっしゃったのでした。
しかし、状態の確認とお話をお聞きしたことから、私自身、「もしや、立てる(歩ける)のでは?」と感じたため、飼い主さんに、歩行や立ち上がりのお試しをさせて貰って良いか、確認させていただいたのです。
あと、同時に、掛かり付けの獣医師さんから立たせる事に対して、特に止められていないか、ということも確認しました。(獣医師の許可はとても大切です!!)それから了解を頂いたので、立ち上がり、歩行に関してお試しさせて頂きました。
最初、飼い主さんに普段、立たせる時にどういった介助をされているのか?まずは、そこを拝見させて頂きました。
そして、飼い主さんは、普段通りに腰の部分をひょいと持ち上げるようにして立たせようとされてましたが、その老犬ちゃんは全く立とうとしなかったのです。
そこで、介助する手の位置など、私から指示しながら対応頂くと、、、その老犬ちゃんは立つことが出来たのです。まだまだ、後足はおぼつかない状態でしたが数歩歩く事もできました。
その時、実は飼い主さんのご家族の皆さんもいらっしゃったのですが、立った瞬間、ご家族全員が一斉に、
「○○が立った!あっ、歩いてる!!すごい、すごい!!」
と皆さん、満面な笑みで本当に喜ばれたんです。
それで、そのあまりの喜び様を見て、世界名作劇場アニメ「アルプスの少女ハイジ」の
「クララが立った!」
という場面(シーン)を思わず想い出してしまったんですね。(年代がバレてしまいますが、、、)
さて、今回、まず老犬ちゃんの状態を見て、それからお話もお聞きした時、
「立って歩けるのでは、、、」
と思ったのは、これまでに何度も歩行介助が必要なケースを見てきたからかも知れません。
ただ、私自身、実際に立てたのを見て、
「○○ちゃん、立って歩けたね!○○ちゃん、良かったね!」
って、思わず喜びの声を出した事も覚えています。
しかし、折角立って歩ける事が判ったのでここで気を抜いては勿体無いです。早速、その翌日、後ろ足用介護ハーネスをお持ちして、歩行練習の方法などをお伝えしました。
後日、再訪問させていただくと
「今は立ち上がりの時にまだ介護用ハーネスが必要ですが、一度立ったらほとんど支えがなくても自力で歩けるようになりましたよ!」
と満面の笑みでおっしゃられていました。
あっ、ちなみに当初ご依頼があった週1~2回の訪問介護が無くなったのは、言うまでもない事ですが、、、ただ、気分はとても良かったですね。
さて、特に大型犬の場合、完全に寝たきりになってしまうと本当に大変なので、今回は本当によかったと思いました。(立てるのでは、と思っていても必ず立てるとは限らないので)
では、今回はここまでと言うことで、次回、またお会いしましょう!
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