わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。

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読者の皆様、如何お過ごしですか？
あなたの街の老犬・老猫サポーター老犬介護士の杉原真理です。

秋が来て過ごし易い時期になったなぁと感じていたのも束の間、１１月になり、もう直ぐ寒ーい冬の季節となりますね。そろそろ動物達への寒さ対策も考えなければ、、、、

さて、今回のテーマですが、「やっぱり我が家なのね！？」です。
それでは、お話を進めたいと思います。

今回は、以前、初めて老犬の長期預かりをした時のエピソードになります。
それまで、ペットホテルという形で短期中心にお預かりをしていて、長くても１０日程度だったのですが、その時、飼い主さん（高齢者）が手術のために長期入院されるという事情で、なんとか預かって欲しいとの依頼を受け、初めて長期でのお預かりさせていただいたのでした。
それが猛暑真っ只中の８月から肌寒い１１月までだったので、ちょうど３ヶ月間でしたね。

お預かりした老犬ちゃんは１５歳の小型犬。。。
高齢による老化で心臓、腎臓など色々と病気がちで、最初、お預かりさせていただく時、正直、飼い主さんともう一度一緒に暮らすことができるのだろうか？と心配な気持ちでいっぱいでした。
飼い主さんも、お預かりする時、もう二度と会えないかもしれない、、、と泣かれていたのを覚えています。

でも、長いようであっという間の３ヶ月間でしたね。
３ヶ月も居るともうほとんど我が子状態（？）で、飼い主さんから退院日が決まったと連絡を頂いた時は、少し複雑な想いになりました。。。

そして、いよいよ老犬ちゃんが飼い主さんの元へと帰る日がやってきました。
月に１回トリミング、そして、掛かり付けの動物病院への通院をサービスさせていただいていたので、老犬ちゃんがお帰りする日に最後の通院もしました。

その旨ご連絡すると、飼い主さんも一緒に動物病院に行きたいということで、まずは老犬ちゃんを連れて飼い主さんの元に。。。
３ヶ月ぶりに愛犬に会ったので、飼い主さんはすぐに抱っこをして、「会いたかった！」と、少し涙ぐんでいましたね。一応、毎日写メールで状況はお伝えしていましたが、実際に会うのは３ヶ月ぶりなのでムリもありませんけどね。

それから動物病院に一緒に行ったのですが、身体面でも特に問題も無く、無事お帰りへと。（実は、お預かりした時より逆に元気になったみたいでした）
その後、飼い主さん宅に行って老犬ちゃんのマットなどをいつもの場所に設置。
すると、やっぱり我が家の事を良く覚えていたようで、すぐにマットの上でくつろぎ始め、３ヶ月間も別の場所にいたことが嘘のように、あっと言う間にいつもの生活に戻ったようでした。

「やっぱり我が家なのね！」
あんなに家でくつろいでいたので、またまたちょっと複雑な気分に、、、
そして、帰る時、飼い主さんがこうおっしゃいました。
「この子が待っていると思ったから、毎日辛いリハビリも頑張れたんです。本当にありがとうございました。」と。。。なにより嬉しい言葉を頂きました。

高齢者が高齢者を介護する。"老老介護"という言葉を聞いた事があるかと思います。
そして、一方で、高齢者が高齢動物を飼う（介護する）という意味で"老老介護"というのも最近多くなっています。
そして、そんな老老介護で問題になるのが、今回のようにお世話をしていた高齢者さんが入院されたり、施設に入るなどで高齢動物のお世話が出来なくなることです。

今回のように、一時的にであっても愛犬を「手放す」ことを迫られるケースも良く聞きます。しかし、飼い主さんにとって手放すというのは本望ではありません。今回のことを通して、私自身、老老介護（後者の高齢者と高齢動物）の現実と、長期預かり、あるいは終身預かりのあり方について考えさせられる良い機会となりました。
実際、短期と長期の預かりの違いも体験できましたし、長期にお預かりすることの難しさを痛感した反面、どうしたらワンちゃんにとって、あるいは、飼い主さんにとって良いのか、本当に色々と学ばせて頂きました。

あと、何よりも家族が増えたようで楽しかったですね。
「○○○ちゃん、本当にありがとうね。そして、飼い主さんの元でお幸せに！！」
最後に、老犬ちゃんにそのような声を掛けた、そんな記憶が今でも残ってますね。

では、今回はここまでと言うことで、次回、またお会いしましょう！