わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。

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読者の皆様、如何お過ごしですか？
あなたの街の老犬・老猫サポーター、ペットケア専門士の杉原真理です。

今、このコラムを書いているのは５月末なのですが。。。
相変わらず暑いですね。
書いている最中はまだ晴れの日が多いのですが、読者の皆さまがこのコラムをお読みになる頃には、梅雨の時期になっているかもしれませんね。
お散歩大好きなワンちゃんには、辛い日が続いてちょっとご機嫌ナナメになるかもしれませんね。

さて、今回のテーマは、そんな雨の季節にまつわる”あるエピソード”
「ワンちゃんも、高齢になると人を見分け難くなる？！」です。

早速ですが、ある高齢犬のお宅に訪問した時のこと。
そのワンちゃん、今回が初めてのご依頼だったのですが、齢による老化から足腰は弱っていたものの、まだまだ元気一杯という感じでした。
今回、1日3回の訪問（朝・昼・夜）をご希望ということで、初回面談で始めてワンちゃんとご対面した翌日から早速、朝・昼・夜とお世話に伺ったのでした。

訪問すると、私の姿を見るなりすぐに寄ってきてくれて、「とても人懐っこいワンちゃんだなぁ」と思っていたのでした。
そして、その日の夕方にある事件(笑)が起こりました。
その日の夕方は雨が降っていたので私はナイロン系の黒っぽいジャージを着て訪問させて頂いたのでした。
すると、、、あの”とても人懐っこい”ワンちゃんが、私を見るなり、けたたましく吠えはじめたのでした。

「あれ。。。」と思いながらワンちゃんの名前を呼ぶのですが、吠えて後ずさりするばかりなんですね。
ちなみに、そのワンちゃん、外でしかうんちをしないので、「（ハーネスを着けて）お散歩に行かないといけないのに、どうしようー？」と、一瞬、困ってしまったのでした。

でも、少し経ってから私も落ち着いてきたら、「（朝や昼と今回と）何が違うのだろう？」
・・・「もしかして、いつもの服と違うから？」
そこで半信半疑ながら、ジャージを脱いで朝、昼に訪問した時と同じような服装（軽装）になると、、、
なんと、ワンちゃんは匂いを嗅ぐために近づいて来て、どうやら私だと気づいてくれたのか、ペロペロと顔をなめ始めたのでした。
それ以降は、同じ様に雨の日でもジャージはやめて、いつも同じ様な服で行くようにすると、全く吠えることがなくなったのでした。

結局、吠えた本当の理由（本心）は判りませんが、例えジャージでも、本来の犬の嗅覚があるならば匂いで嗅ぎ分けられたかもしれません。
また、若い時のように視力、聴力も正常であれば、見分けられたのかもしれません。

このワンちゃん、高齢化に伴う老化から、視力、聴力、そして、嗅覚などが低下していたのも事実です。
例えば、シニア、老犬・老猫の場合、最も多い悩みに食事介助（食べない！など）があるかと思いますが、キーとなる食欲に関して、やはり嗅覚の衰えが問題で、あげたものをフードと認識し難くなることもあるんですね。

なので、シニア・高齢になる程、（シニア向け）フードの匂いが強くなる傾向にあるのは、嗅覚の衰えへの対応でもある訳です。

なので、敵か味方か(笑)を見極めるのも見た目や声、音もあるかと思いますが、、、ワンちゃんの場合は、やはり匂いではないかと思います。
ジャージの時、もしかすると雨にさらされていた事やナイロン系ということから、私の匂いが落ちていた（弱くなっていた）のかもしれないですし、見た目も普段と違っていたことから、視覚、聴覚の衰えにより”不審者（敵）”と判断されたのかもしれませんね。
そして、老いたとはいえ、「番犬」としての本能が出たんではないでしょうか？

今回の事件が起こるまでは、あまり服装については意識していなかったのですが、高齢化に伴い視覚、聴覚、嗅覚の衰えから認識力が落ちる一方で、動物としての本能（警戒心）が変わらないと仮定すると、訪問時、なるべく同じ服装や格好をするのが良いのかもしれませんね。

あと、事前に走って汗をかくなど、「私ですよ！」と匂いでアピールをするのも良いのかもしれませんね(笑)。

あっ、そうすると、ニンニクいっぱいの餃子を食べたあとに訪問したら、どんな反応するんだろう？なんて（アホな）想像しながら、最後は笑顔でシッポを振りながらお見送りしてくれたワンちゃん宅を後にしたのでした。

如何でしたか？
今回は、フィクションのようでノンフィクション（本当）のお話しでした。
では、今回はここまでと言うことで。
次回、またお会いしましょう！！