わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

第7回 老犬の預かりの現実と今後

ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんのペットの介護(動物介護)に関するコラムです。

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。


"あなたの街の老犬・老猫サポーター"老犬介護士の杉原真理です。

読者の皆様、いよいよ夏本番、そして、高齢の動物達にはちょっと厳しい季節ですね。
この季節になるとよく言われるのは「熱中症」ですが、屋外だけでなく屋内で熱中症になる事もありますので、日差しや室内の温度管理には十分に注意してあげて下さいね。あと、涼しい場所の確保、十分な水分もお忘れないよう。

さて、今回のテーマは、「老犬の預かりの現実と今後」です。

今回のテーマは、介護の知識や技術それ自身ではないのですが、私がお客様(飼い主さん)とお話をするとき、お客様の関心がとても高いテーマの一つです。「老犬(シニア・7歳以上)」を飼っている飼い主さんにとって、常に問題となり、悩まされることが多いからです。
ということで今回は、「老犬の預かり」にフォーカスしてお話したいと思います。

さて、読者の皆様、動物で「預かり」と言えば何を思い浮かべますか?
・・・
そうですね、恐らく「ペットホテル」を思い浮かべるかと思います。

自宅でお世話が出来ない場合、現在、ワンちゃんを「預ける」方法として「ペットホテル」があります。一方で「預ける」の対極の方法として「訪問」、いわゆる「ペットシッター」というのもあります。飼い主さんは愛犬の適応性などを勘案しながら、何れかを選ぶことになるのではないでしょうか。

あと余談ですが、「預ける」という形態ではありますが、「預ける」ことだけが目的ではないという。。。
「犬の保育園(幼稚園)」「犬の学校」といった、カテゴリーもあるかと思います。

そして、若いワンちゃんの場合、ペットホテル、ペットシッターそして犬の保育園(幼稚園)、犬の学校も含めれば、ちょっとした都市圏ならばワンちゃんの「預かり」に関しては困らないでしょう。(ちなみに、田舎では近所同士で預かりあうという方法もあるかと思います。)
一方、シニア、特に老犬の場合、「預かり」に関してこういったインフラが整っていないのが現実なのです。(「訪問」(シッター)も同様ですが今回は割愛しますね。)

若い頃、「預かり」に関してはインフラが整っていたのが、シニア(7歳以上)になり、高齢化が進み「老犬」となって、いざ、若い頃と同じように利用し慣れていたペットホテルに「預かり」を依頼すると、「お断りされる」という現実を経験することが、実際に起こってしまうんですね。
そこで初めて、シニア、老犬の「預かり」に対する厳しさを目の当たりにして、初めてアタフタしてしまう。。。
事実、私の所へも老犬の「預かり」に関するお問合せで、送迎エリア外の遠方から、緊急だけど何とか預かって欲しい。。。というヘルプがとても多いです。

ところで、お断りされる理由なんですが、見た目は元気であるにも関わらず、単に「高齢だから。。。」という場合も結構あるんです。とは言え、預かる側(ペットホテル側)の言い分(理由)も、判らない訳ではないんですね。
シニア、特に老犬になるとその多くが持病があり、何らかの介護やお世話が必要になるなど、若いワンちゃんに比べて注意すべき事も増えてきます。また、一見、何も問題無さそうに見えても、高齢になると環境変化に対する健康への影響(リスク)も大きくなります。そして、夜間にスタッフが不在(宿直施設が無い)の場合、急変リスクへの対応ができないという問題もあります。

あと、もう一つ注意することとしては、老犬の場合、預かりをする場合の "移動(送迎)リスク" もあります。
ペットホテルの場合、一般に送迎をされている所も多いかと思いますが、老犬の場合、飼い主さん宅からホテルまでの移動中に何らかのケアが必要な場合もあるかと思います。こういった事情からペットホテル業者としては、
「シニア、老犬は大変」
「シニア、老犬は怖い」
と消極的になってしまう事が多いのです。

実際、私もペットホテル業者さんから良くお聞きします。
「高齢犬って、どう扱っていいのかわからなんですよね。」
「何かあったら。。。と思うとやはり怖くて預かれないんですよね。なので若いワンちゃんになってしまうんです。」
これがシニア、老犬の「預かり」に対する現実なんですね。私も、老犬の「預かり」に関しては細心の注意を払っています。

私の場合はさすがに「高齢だから」といった理由だけでお断りする事はありません。
ただ、特に新規で預かって欲しいという場合には、飼い主さんに状態を良く聞いて、「預かり」が危険だと判断した場合は「訪問」を強くお薦めする事も多々あります。
また、「預かり」の方向で検討する場合でも、移動を含めてワンちゃんの環境適合性や移動距離、預かり期間など、総合的に判断をしています。
都市圏であればペットホテルはそれなりにあっても、シニア、老犬を扱ってもらえる施設が少ないのは、こんな事情があるからなんですね。

ただ、高齢犬、老犬に対して正しい知識や技術とともに、「常にセーフティ(安全)であれ」という事を心がけることによって、私自身、これまでに多くの高齢犬を預かったり、訪問をして高齢犬の飼い主さんのご要望にお応えしてきました。なので、今後、少しでもシニア、老犬の「預かり」(あるいは「訪問」)をして頂ける業者さんが増えれば、と切に思っているのです。
そのためにも高齢動物、動物介護ができる人材(専門家)がもっともっと増えて欲しいですね。

さて、最後に今後のシニア、老犬の「預かり」の形態に関して、ちょっとお話しようと思います。
ワンちゃんの預かりとして、「ペットホテル」を中心にお話してきましたが、一言で「預かり」といっても、今後は、飼い主さんからの多様化する要望に応じて、もっともっと色んな「預かり」の形態が出てくるのではないかと思っています。
人間の介護業界をご存知であれば納得されるのではないかと思いますが、まずは、ちょっと思いつくところを挙げてみますね。

■老犬ホーム
■老犬デイサービス
■老犬用一時預かり
■老犬用ペットホテル ← 先ほどお話した「預かり」はコレ
■老犬用長期ステイ

"老犬ホーム"は、終身型の「預かり」で現在も既にあるのですが、安かろう。。。という面も一部ではありました。
今後については、もう少しお金をかけても。。。ということで、高級志向の老犬ホームが登場しそうな傾向が見受けられます。(人間でいう、ちょっと高めの有料老人ホームでしょうか?)
ちょっと変わったところでは、"老犬デイサービス"、ホテルの延長線として "老犬一時預かり"(日中預かり)がありますが、これらは一般的な"一時預かり"とはどう違うのでしょうか?「預かる(預かってもらう)」という意味では同じかもしれません。私は、ここで言う"老犬デイサービス"は、「犬の保育園」「犬の学校」の老犬版のようなイメージとして捉えています。

人間の場合、介護制度のもとで"デイサービス"があります。しかし、現在、私が知っている限り、"老犬デイサービス"に類することをしている業者さんは、片手で数えられる位でしょうか。まだまだ認知ということでは低いようです。

ただ、今後、ワンちゃんの高齢化も進むことで、"老犬デイサービス"も増えてくるのではないかと思っています。
そして、サービス内容も多岐に渡ってくるのではないかと。ここはアイデア次第ということで面白い形態になるのではと思います。
"老犬デイサービス""老犬用長期ステイ"。これら新しい「預かり」の形態に関しては、今後、別の機会に、もう少し突っ込んでお話しようかと思います。

あと、「預かり」に関しては、ワンちゃんだけでなく、ネコちゃん(シニア猫、老猫)も今後でてくるかもしれません。猫ちゃんの場合、「預かり」のイメージはないかもしれませんが、動物病院で入院される事を思っていただければ、無いこともないかと思っています。ただ、猫ちゃんの場合はワンちゃん以上に環境変化に敏感なので、この辺が難しいかもしれませんね。

最後に、今後は動物の高齢化と老化に伴い、動物介護の必要姓はさらに高まっていくでしょう。そうなれば、シニアのワンちゃん、老犬に対する「預かり」は、飼い主さんの期待の元でますます多様化すると考えています。
そして、施設を作ること自体は簡単なことかもしれません。但し、その施設を運営するためには、最後は、やはり高齢動物、及び、動物介護の人材(専門家)をどうするか?そこに尽きるのかもしれませんね。

では、本日はこれにて失礼いたします。

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