わんちゃんねこちゃんの介護の現場より
第35回「改めて思う。。。夜鳴きへの対応の難しさ」
堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。
読者の皆様、如何お過ごしですか?
あなたの街の老犬・老猫サポーター、ペットケア専門士の杉原真理です。
3月になって暖かい日が続くようになり、そして「あっ」という間に4月ですよ!!もう1年のうちで4分の1が終わったんですね。
これからGWに掛けてお出かけシーズンが続きますが、弊社でも3月中旬から訪問、ホテル共にご予約が急に増えてきたように感じています。
読者の皆さんも『299navi』でワンちゃんとのお出かけを計画してみては如何でしょうか?
勿論、ワンちゃん・猫ちゃんのお世話はお任せ下さい。(http://petcare-station.com/eria.html)
さて、今回のテーマですが、「改めて思う。夜鳴きへの対応の難しさ」です。
先日16歳のあるワンちゃん(老犬ちゃん)をお預かりさせていただいた時のこと。
こちらのワンちゃんの飼い主さん、数年前、愛犬(シェパード)のお散歩仲間だった方なのですが、実は愛犬が亡くなってからしばらくの間、会っていませんでした。
あれから数年。。。
その飼い主さんが愛犬のお散歩中に、私のお客様であるお散歩仲間さんから私のことをご紹介頂いたことで、今回ご相談に来られたのでした。
そのワンちゃん、数年前、本当に元気だった頃しか知らなかったので、ご相談を受けて久しぶりにそのワンちゃんに会った時、直ぐには以前のイメージと結びつきませんでした。
そのワンちゃんはすっかり老犬になっていて、そして以前はイメージが無かったのですが、ずっとクルクルと小回りしながら歩いていたのでした。
実はご相談を受けた背景として、これまでずっと預かって頂いていた業者さんから「お預かりは今回で最後にして欲しい」と告げられたそうで、飼い主さんも不在からお預かりしてもらう機会が結構あったため、どうしようかと悩まれていたとのことでした。
ちなみに理由としてお聞きしたのが、夜鳴き・無駄吠えです。(業者さんにお断りされる理由としては、大体がお世話の手間が掛かること・周りに影響することでしょうか)
早速、初めてのお預かりということから(特に高齢の場合には必ずやっているのですが)お試し預かりをさせて頂くことになりました。(出来れば宿泊が良いのですが、難しい場合は日中だけでも可能です)
そして実際お預かりさせていただくと、、、やはりずっと吠えていたのです。
勿論、私自身これまでに何度も、認知症などから夜鳴きするワンちゃんをお預かりさせて頂いてきたため、ワンちゃんが少しでも疲れたりストレスを感じないよう、色々と試したりしてきました。(やはり、シニア犬・高齢犬が多いです)
お部屋(個室)でのお預かりとさせていただき、隅っこに顔が入らないようガードするなど、受け入れ環境も万全に整えたつもりだったのですが、やはり、止まっては吠えるの繰り返しは止みませんでした。
そして、実際のお預かりが2泊だったので、私自身本番前に宿泊を試したかったことと、飼い主さんも気を遣ったりやはり心配とのことから、本番前にもう一度お試しのお泊りをご希望されたのでした。
しかし当日、ワンちゃんが体調不良ということで、結局お試しのお泊りは流れて、”ぶっつけ本番”の宿泊(2泊)となったのでした。
初めての場合は普段でも「ワンちゃんがお部屋で落ち着くのに、ある程度時間はかかるだろうなぁ」という事は想定しているのですが、そのワンちゃんはお昼以降から夕方までずっと吠えていました。
そして、夕食をあげると少し寝始めたのでした。
本来は昼夜逆転を直すためにも、特に夕方は出来るだけ起きてもらうよう対処するのですが、ずっと寝ていなかったということから、初日の夕方はそのままそっとしておきました。
結果、その後1時間ほど寝たあとは、またクルクルと部屋の同じ所を徘徊しながら時々吠える、、、という行動が、なんと夜中の0時過ぎまで続きました。
そして、その日の夜中から翌朝5時頃まで、1時間寝ては2時間クルクル徘徊しながら時々吠える、という行動を繰り返したのでした。
そんな感じで2日間のお預かりが終わり、飼い主さんがお迎えに来られた時「大変だったでしょう。。。本当にご迷惑かけてごめんなさい。。。」と、申し訳なさそうにおっしゃられました。
飼い主さんには、お預かり中の様子は全てご説明させて頂きましたが、そのワンちゃんは、飼い主さんが迎えにこられるとずっと飼い主さんに甘えていて、お迎えがとても嬉しいのだと感じました。
今まで、私自身も夜鳴きをするワンちゃんを何回もお預かりさせていただきましたが「事前に環境を万全に整えても、夜鳴きは解決する訳ではないなぁ」ということを、改めて実感したのでした。
今回お聞きした普段の様子や飼い主さんが迎えに来られた時の様子から、飼い主さんのことが大好きで、飼い主さんが近くに居ない(見えない)ことへの不安が原因なんだろうなぁと思いました。
特にシニアから高齢になり、思う通りに動けないなど少し不自由になると、若い頃に比べて心身共に飼い主さんに寄りそう傾向が強くなり、今回のように「不安症」から、飼い主さんを探すような行為(徘徊)と、飼い主さんを呼ぶ行為を続けることを、私自身何度か経験しています。
こういった場合、若い子だと少し時間が経過すると、環境になれたり、何か他のことに興味が移ることで落ち着く(慣れる)ことも多いのですが、高齢の場合、短期間に”環境だけ”で落ち着かせることは、やはり難しいですね。
とは言え、今回のお預かりでは、高齢で心身の疲労から体調不良となることを一番気にしていたので、2日間無事に過ごしてお帰りになられたことで、ひとまずホッとしました。
飼い主さんは申し訳なさそうにされていましたが、普段生活していく中で、お預かりが必要な場面は必ずあるかと思います。
お預かりが出来ない(してもらえない)と飼い主さん自身が参ってしまい、結果としてワンちゃんも不幸になるのを何度も見てきたため
「次回は、今回よりも何か出来ることは無いだろうか?」
「少しでもワンちゃんの不安を解消できないだろうか?」
「少しでも穏やかに過ごして元気に帰ってもらえないだろうか?」
シニアケアのプロ(?)としては、こんなことでは挫けませんよ!!
ということで、このワンちゃんには、これからしばらく、勉強させて頂くことになりそうですね(^_^;)。
では、今回はここまでと言うことで。
次回、またお会いしましょう!!
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