わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。

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読者の皆様、如何お過ごしですか？
あなたの街の老犬・老猫サポーター老犬介護士の杉原真理です。

ガンガンに暑い夏の季節もお盆を過ぎてから、少しずつですがやんわりとなってきましたね。
動物達と共にエアコンが放せない季節から、夜間だけですが少しずつエアコンから開放される日も、出て来たのではないでしょうか？
真夏は、私の愛犬も暑くて本当に散歩しないですが、早朝のヒンヤリした少しの間を狙って散歩をしていますね。（トイプードルなんですが、フッカフカの毛皮を着込んだ状態なので、、、）

さて、今回のテーマですが、「生活リズムの見直しって難しい！」です。
それでは、お話を進めたいと思います。

先日、夜鳴きでお困りになっていたお客様から高齢のワンちゃんを一泊お預かりしました。
そのワンちゃんに関しては、これまで日中のお預かりはあったのですが、宿泊でのお預かりは今回が始めてでした。
このワンちゃん、夜間に起きて鳴き続け、朝方になったら寝るという、典型的な「昼夜逆転」の「夜鳴き」ケースでした。

夜鳴きをするワンちゃんの場合、医療面での問題がなければ、夜間、鳴かせた状態にしておく、ということも可能なのですが、問題は、ワンちゃん自身よりも、日本の住宅事情による近所への苦情、そして、飼い主さんを含めた同居者の生活リズムの崩れになります。

今回の場合も、まさに住宅事情から来ていて、近所からの苦情に対してご家族が神経質になっていた事と、ご家族自身の生活リズムの崩れの双方が問題となっていました。
そして、この状態が既に半年以上続いていて、特に、ご家族の心身面での疲弊が深刻な問題だったんですね。
さて、最初に日中預かりした時、勿論、こういったご事情は把握していたため、日中はワンちゃんになるべく起きてもらうようにと色々と試行錯誤をしていました。

実は、元々、昼夜逆転になったキッカケが高齢化に伴う老化からきた歩行困難で、自力で立つことが出来なかったため寝ている時間が多くなったのが事の起こりでした。
そこで、日中お預かりした時も、適時スタッフがついて歩行練習やマッサージなどをして起きている時間を増やすなどしていました。

その結果、預かりからお帰りになった時、夜間の睡眠について一時的な変化は見られましたが、いつもの生活に戻ると、そのうち、元の生活リズムに戻ってしまったのでした。
このような経緯もあって、今回、始めてのお泊りだったのですが、せめて、お帰り頂いた夜はワンちゃんに寝てもらおうと、日中預かりと同様、なるべく日中に起きていてもらい、宿泊した夜は飼い主さんが動物病院で処方して頂いていた安定剤を決められた時間にあげました。

しかし、始めてのお泊りということで環境が変わったことによる緊張の方が大きかったのか、日中になるべく起きてもらっていたにも関わらず、結局、夜中も朝方まで鳴いたりして、良く眠れなかったようでした。
そして、朝方５時頃にワンちゃんのオムツ交換をして、体を撫でているとやっと寝始めたのでした。
飼い主さんからは、
「朝方になると寝始めるんです」
とお話されていたので、改めて、
「やはり、短期間で普段の生活リズムを変えるって簡単ではないんだ。」
と痛感したのでした。
ただ、お話としては聞いていたのですが、お泊りをしたことで実態を観察できた事はよかったでしたね。

さて、こういう事があると、以前、お話したことがあったかもしれませんが、老犬の長期預かりや、定期的な日中預かりの必要性も出てくるかと思います。
以前、ある老犬ちゃんを長期預かり（１ヶ月単位）した事があったのですが、実際に長期で預かってみると、やはり、最初の１～２日は環境適応ができず落ち着かなかったですね。その老犬ちゃんは少し心臓が弱かったため、最初は色々と神経も使いました。

しかし、２～３日辺りから落ち着き始め、１週間もすると新しい環境にすっかり順応して、我が家のように元気に新しいリズムで生活をしたのでした。
なので、今回のケースでも、もう少し時間を掛ける事ができればワンちゃんの生活リズムを変えて、夜鳴きなど解消も試みが出来たかもしれません。

夜鳴きなどでお困りの方は多いのですが、なかなか日中、夜間を含めて独自で生活のリズムを変える事は難しいと思います。実際、今回の事例でも飼い主さんは何とか解決しようと、試みられたようでしたが、結局、続けられなかったようです。改めて、長期預かりなどゆったりと期間をとった対応も必要、そう感じた出来事でしたね。

では、今回はここまでと言うことで、次回、またお会いしましょう！