わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。

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読者の皆様、如何お過ごしですか？
あなたの街の老犬・老猫サポーター老犬介護士の杉原真理です。

今年の梅雨は長かったですね。でも、やっと梅雨も明けて、暑い夏の季節となりました。
でも毎年、この時期になると愛犬（トイプードル、７歳）が熱いアスファルトの影響もあってか、お散歩を嫌がるんですね。
ジメジメする梅雨も嫌でしたが、暑い夏の季節は、アスファルトからの反射熱も強く、裸足のワンちゃんにとってはまだまだ散歩し辛い時期が続きますね。

読者の皆さん、愛犬の暑さ対策は大丈夫でしょうか？
今回のテーマですが、「記録帳（観察日誌）こそが最強の介護ツール！」です。

先日、ある高齢のワンちゃんのところに訪問した時のこと。
そのワンちゃんは１３歳の大型犬で、私が最初に会った時よりも後ろ足が悪くなっていて、歩行には介護用ハーネスなどの支援が必要な状態となっていました。

さて、訪問をした時、ご依頼いただいた飼い主さんはたまたまご不在で、飼い主さんのお母様に対応して頂いたのですが、何気なくテーブルの上を見たとき、一見、アルバムかと思うような分厚い冊子が置いてあったんですね。
そこでお母様に何気に、
「これはアルバムですか？」
とお尋ねすると、
「いえ、これはワンちゃんの記録帳なんですよ。」
とおっしゃったのです。

それが、アルバムのように分厚いんですね。すると、職業柄、何が書かれているか気になるわけです。
そこで、驚きを見せながらも中身について尋ねてみたら、
「見てみます？」
とおっしゃったので、是非に、という感じで拝見させていただくことになったんです。

その記録帳には、昨年からのワンちゃんの日々の観察などが事細かく記載されていたのです。
おしっこ、うんちなどの排泄の記録からその日の食事量、そして、その他に気づいたことや状態の変化、そしてその変化に対する原因と思われる事などが書かれていたのです。
さらに、これまでの通院記録から検査結果など、全て日を追ってスクラップされていました。

私は、お母様が居ることも忘れたように、夢中でその記録帳をめくっては感嘆の声を上げていたんですね。
最初、アルバムと間違えたといいました。写真集ではないですが、これはまさに、そのワンちゃんの「アルバム」そのものだったんですね。

以前、飼い主さんから普段は正社員で働いていて、朝出かけて夜に帰られる生活をされているとお聞きしていました。この記録帳を見る限りでは、飼い主さんは仕事以外の時間、ほとんどワンちゃんの事を考え、ワンちゃんのことを観察されている。ということが、本当に見てとれたのです。
私も職業柄、今までに多くの記録帳や観察日誌を見てきましたが、ここまでのものを見たのは初めてでした。
帰ってから飼い主さんにメールで記録帳を拝見させていただいたことをお伝えすると、
「病院に行った時、本当にその記録が役立つんですよ。」
との返信がきたのですね。

私は、セミナーや講演会でも、老犬生活において、日々の観察の重要性についてお話する事は多いです。
それは、日々の記録（観察）こそが"老化のサイン"や、日常の小さな変化を見逃さないための最強の道具（ツール）だと思っているからなんですね。
そして、この飼い主さんがおっしゃったように、時間を追った詳細な記録は、獣医師さんへの正しい情報提供、正しい診断へと繋がるんです。

今回、たまたま、テーブルにさりげなく置いてあったアルバムのように分厚い記録帳。この存在に気づいたことで、私自身もまた、多くの学びを得られました。そして、飼い主さんから伝わってくるワンちゃんに対する大きな愛情に目頭が熱くなる想いになりました。

では、今回はここまでと言うことで、次回、またお会いしましょう！