わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

第8回 老化と歩行

ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんのペットの介護(動物介護)に関するコラムです。

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。


"あなたの街の老犬・老猫サポーター"老犬介護士の杉原真理です。

読者の皆様、あつーい夏もお盆を過ぎて徐々に涼しくなる。。。はずでしたが、まだまだ暑い日が続いていますね。

今年は、台風の影響で例年に比べて曇りや雨の日が多く、日照時間の関係から野菜の生育が問題になっていましたね。ただ、日照時間は短くなっても湿度が高いことから、体感上は例年と変わらず不快な暑さが続いています。カラカラの天気でなくても、気温、湿度共に高いので動物達の熱中症には十分お気をつけ下さい。
特に、老犬、老猫の場合は夏場に体調を崩される事がとても多いです。危険ですし長引くこともあるのでご注意下さいね。

さて、今回のテーマですが、「老化と歩行」です。
これまで、食事、排泄(排尿)と体の内側をテーマにお話をしてきましたが、今回は、老犬介護で最も多い悩みであろう「歩行」に関してお話をしますね。

ワンちゃんといえば、若い頃は散歩をはじめ、屋内や屋外を問わず駆け回る。。。という元気な印象が強いと思います。若い頃から飼っているとワンちゃんというのは足腰が丈夫であり、高齢になって歩行が困難になる、いや、ある日突然、立てなくなる、歩行が出来なくなる。。。という事が起こることが想像できないのではないでしょうか?
しかし、高齢化に伴う老化、身体機能の低下は、若い頃に負担が重くかかったり、ケアが少なかったほど大きく影響が出てきます。

例えば、若い頃の食事(フード)環境が、高齢になり、シニア、老犬となった時に内臓疾患として影響するということと変わりないのです。
若い頃、難なく段差がある所を飛び跳ねたりできても、飛び跳ねることにより、都度、足腰に衝撃が伝わっていることも事実です。そしてシニア、老犬と年齢を重ねるにつれて、若い頃と同じように飛び跳ねていると、知らない間に足腰に少しずつ衝撃に対する疲労もたまってくることと思います。
そんなある日、ワンちゃんが何だか歩きにくくしているな。。。と思い始めたとしても、ワンちゃん自身は、その原因が飛び跳ねていることにあるとは思わないので、お構いなく、いつものように元気に飛び跳ねることでしょう。そして、ワンちゃんは飛び跳ねたくても飛び跳ねる事ができなくなってくると、「高齢になったから落ち着いたのね。。。」と思うかもしれません。

ただ、もしかするとそれは本当にワンちゃん自身が飛び跳ねられなくなっているのかもしれません。
それから、お散歩にいっても歩きたがらなくなったり、歩き方に偏りがあったりと気になりつつも「高齢だから」「老犬だから」と思うかもしれません。
そして、ある日、突然、立てなくなったといって慌てて動物病院へ。。。

スミマセン。少し、脅かすような内容になりましたが、あながち絵空事という訳でもないのです。
私の所に寝たきりや歩行に関して相談に来られる方で、経過をお伺いすると、こういったシチュエーションが結構多いのですね。ただ、お話を振り返っていただくとお判りかと思いますが、体の内側と違って、随所で予兆が見えていたと思います。なので、適時予防や準備をすることで、絶対とはいえませんが最悪の事態を避けることもできたかもしれません。

あと、一度、立てなくなったからといって、直ぐに悲観することもありません。
ずっと立てなくなってしまうとは限りません。医療的な処方や家庭内でのリハビリなど、適切な対処をすることで立てるようになったことも良く聞きます。
まずは、このような事態にならないよう、若い頃から予防や準備、観察をすることをお薦めします。

例えば、犬種によって椎間板ヘルニアなど歩行(足腰)に関わる疾病に掛かり易い場合が結構あります。
そういった具体的なリスクが判っている場合は、予防(例えば、Webで検索してみて下さい)と共に『観察』が大事になってきます。
『予防』としては、小型犬の場合は屋内飼いの方が多いと思いますが、床を衝撃を吸収するクッションフロアにしたり、ワンちゃんの生活空間に段差がある家具類(シートが高いソファーなど)を置かないなどがあるかと思います。

そして、最も重要なのが『観察』です。やはり、何等かの変調は事前にでてくるものです。動物は言葉を発しませんが、変調があれば素直に見える形ででることも多いです。ただ、明確なメッセージでないこともあるので注意が必要です。

実は、あるシニアのワンちゃんでこんなことがありました。
「急に食欲が無くなった。。。」
すると、まずは体の内側の疾患や不調を疑うかと思いますが、動物病院で検査をしても内臓など特に問題は無し、でも原因不明の食欲不振は続いている。。。

この事例ですが、実は、椎間板ヘルニアが原因だったのですね。
まさか、椎間板ヘルニアから食欲不振って思いつかないですよね。なので動物病院でもなかなか原因が判らずだったのです。動物の場合、痛みや不快感を言葉で発することはできないので、一見、痛みがあることを把握することは難しいのですが、時として、痛みや不快感から食欲不振として目に見える形になることもあるようです。

そして、この事例の場合、椎間板ヘルニアになり易い犬種だったため、獣医師さんがヘルニアを疑い、痛みに対する消炎剤を処方したことで結果、食欲不振が快方に向かったため原因が判ったのです。

ただ、原因不明のまましばらく時間が経過したことと、原因が判った後、椎間板ヘルニアに対する精密検査が間に合わなかったことで、結果、ある日突然、立てなくなる。。。という事態に。原因がヘルニア(疾患)と明確だったので手術をしてリハビリをすることで、時間は掛かりましたが、結果的には、再び立てるようになりました。
飼い主さんも、今回のことで歩行できない(立てない)ことの大変さを感じたようで、シニアでもまだまだ若い方(7歳)だったので、このまま、歩行困難や寝たきりの老犬に絶対ならないようにと、リハビリやケア、そして観察を頑張っていらしたとのことです。

あと、『観察』と共に大事なこととしては『準備』でしょうか。『予防』が、歩けない、立てないといった結果に対する事前のケアだとすると、『準備』は、万一歩けない、立てないといった結果を受け入れた時のための生活習慣を整えることです。

たとえば、歩けない、立てない場合、一番困ることが「排泄・排尿」だと思います。
"外でしかおしっこしない"
"オムツは嫌がって付けてくれない"
"オムツは付けてくれてもオムツの中にオシッコをしない"
などが特に多いのですが、これらは、いずれも若い頃からの生活習慣で変わることができるのです。

外でしかオシッコしない場合、一日に数回、オシッコをさせるために屋外に連れて行く必要があります。しかも、大型犬の場合は、立たせて屋外に連れて行くだけでも大変です。そこで、若い頃からの『準備』なのです。
"若い頃から、屋内でオシッコをする習慣を付ける"
"若い頃から、オムツなど衣類を着る習慣をつける"
"若い頃から、オムツでオシッコをさせる習慣をつける"
これらを若い頃から習慣化するだけでも、高齢になって万一の時の負担はとても少なくなります。
老化に伴う歩行に関する問題は、イメージ的には大型犬だけのように感じるかもしれませんが、実は、若い頃、元気良く飛び跳ねている小型犬にも多い事をまずは、認識していただきたいと思います。

シニア、老犬と高齢化が進むと、歩行に関する支障のリスクは大きくなります。
そして、歩行に関する支障は飼い主さんの生活も含めて、とても影響が大きいことをご理解頂きたいと思います。
ただ、だからといっていたずらに恐れる必要もありません。
『予防』
『準備』
『観察』
この3つを若い頃から心がけることで、絶対とは言いませんが、大幅に抑制することが出来ると考えています。
そして、万一起こった場合でも、飼い主さん、ワンちゃん共に負担や苦痛などを緩和、軽減することもできます。
まずは、愛犬が普段歩いていることの『観察』から始めてみては如何でしょう?

次回は、「老犬と歩行」に関して、テーマを決めてもう少し具体的なお話をしたいと思います。
では、次回、またお会いしましょう。

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