わんちゃんねこちゃんの介護の現場より

第4回 介護の現場でも食事の悩みって多いんですよ。

ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんのペットの介護(動物介護)に関するコラムです。

堺市を中心に高齢のわんちゃん、
猫ちゃんの訪問介護のお仕事をされている、
ペットケアステーション大阪代表の杉原真理さんより、
ペットの介護についてお話し頂きます。


"あなたの街の老犬・老猫サポーター"老犬介護士の杉原真理です。

第4回目のテーマは食事に関してです。

早速ですが、動物を飼っていると若い子であれシニアであれ食事に関して一度は悩みを持たれた方、結構多いのではないかと思います。
ところで、読者の皆様は、食事に関する悩みというと何を一番に思い浮かべますか?
・・・
「夏場になるとフードを食べてくれない。」
「うちの子はドライフードでなく缶詰しか食べません。」
「ある日、突然、いつものフードを食べなくなった。」
などなど

食事に関しては、"食べない"という事に対する悩みを、思い浮かべるのではないかと思います。そして、想像に違わず、高齢に伴う介護の現場でも食事に関する悩みはとても多いです。特に、高齢になって老化が進むと好き嫌い(嗜好)だけでなく、色々な食事に関する問題や悩みが出てきます。

例えば、噛む(アゴの)力や飲み込む力といった老化に伴う体力の衰えにより、自力で食事という行為が成し遂げられないとか、病気に伴う食欲不振。これは読者の皆様の中でも体験された方はいらっしゃるかと思います。
病気になったら投薬する事が多いと思いますが、薬の中には副作用が強いものも結構あります。そして、その副作用の中には、味覚が麻痺をしたり、常にムカついた(気分が悪い)状態になるものもあります。つまり、嗜好ではない明確な"食べれない理由"がある事が多いです。

そして、高齢になって老化が進むと、消化器系も弱くなり、食事したものが十分に栄養として吸収できなくなることも多くなってきます。なので、高齢化により体力が衰えるが故に、本来であれは食事をより多く摂って、栄養を体に十分に吸収して欲しいところなのです。しかし、病気に伴い食欲不振や味覚が弱くなる、あるいは、老化に伴い食べる力の衰退する。。。
こういった多くの"食べれない理由(=不利な状況)"という現実の元で、なんとか、あの手この手で食べてもらう工夫をしている。これが介護の現場の実態なのです。

そして、これに好き嫌い(嗜好)が入ると、それはそれは大変になります。なので、高齢化に伴い飼い主さんに準備して欲しいことがあるとしたら、できれば若いうちにぜひ、偏食があれば改善して頂きたいですね。

ちなみに、高齢化に伴い療法食をあげている飼い主さんも多いかと思いますが、これまでの療法食って。。。動物達にとって余りおいしく無いようです。なので療法食で苦労されているというお話もよく伺います。
ところが、動物達に不評(?)だった療法食も、食いつきって結構大事だ、という認識が浸透し始めたようで、最近ではメーカーも味やニオイなどに拘ってきているようですよ。これは食事に悩んでいる方々には朗報かと思いますね。

さて、話を戻しますが、"食べれない理由"など食事に関する悩みに対して、どう対処すればいいのか?ですが、先程の明確な食べれない理由がある場合には、栄養注射をするなどの生命維持のための方法もあります。一方で食べられる(ハズな)のだけど食べてくれない、しかし、体力を付けるためには"食べてもらわなければならない"。という場合には、強制給餌という食事介助の方法もあります。

但し、"老化などで自力で食事する力が衰退している"といった場合を除いては、飼い主さんはこの強制給餌に抵抗がある方はとても多いです。なぜなら、"強制"というのが飼い主さんからする心情的に辛いからです。なるべくなら自分(愛犬、愛猫)の意志で食べて欲しいというのは当然の心情でしょう。
なので、高齢動物の食事介助のお世話をする時には、食べないからといって安易に強制給餌して終わり。。。という訳にはなかなかいかないです。強制給餌はあくまでも最後の手段なんですね。
結局は、ワンちゃん、ネコちゃんと向き合って、"食べてもらう"ということに四苦八苦しながら工夫を重ねる、これが現場での実態なのです。

さて、ここでぜひ知って頂きたい事があります。それは、食事の悩みに関しては動物の方が人間と比べてはるかに苦労するということです。(私自身、人間の介護現場を長年経験しているのでハッキリ言えます)その苦労の理由は、ズバリ、コミュニケーション力の違いでしょうか。
人間の場合は、余程の障害が無い限り、食べない理由に関してある程度のコミュニケーションをとれます。しかし、動物に関しては、まるでYES/NOのテストの繰り返しのような感じです。しかも、NOの場合に理由を教えてくれる訳でもありませんし、NOの度合いが正解に近いのか遠いのかさえも判らないことも。
身体介護の場合でさえも、苦痛を我慢しない子ならば、大体は様子を見れば、嫌なのか、違和感があるのか、などは慣れればある程度伝わるのですが、食事に関しては食べるか食べないかの両極端で、正解が判り難いのです。

それゆえ、食事の悩みが動物の介護の悩みトップ3と言われる所以なんでしょうね。私自身、動物の介護業界に入ってからの数年間、最も多く遭遇したのが食事に関する悩みでした。
それでも、YES/NOのテストの繰り返し。。。という事を数年間続けて来たことで、最近では食べてくれるようになるための答え(YES)を見つけることも早くなってきました。多くの失敗も経験しましたが、長く関わってきた経験(失敗/成功)が効いてるんだなぁ。。。と感じています。

そして、苦労も多いからこそ、食べてくれた(YESを見つけた)時の嬉しさも大きいという感じもあります。
こればかりは何度味わっても気分がいいものです。ちょっとした快感でもあります。なので、上手くいった時は思わず家族に話しちゃいます。でも、殆どは「あっ、そう」で終わっちゃうのだけれどね。
とはいっても経験がなければ何もできないのかというと、そうともいえません。そこで、これまでの経験を踏まえて、ちょっとしたヒケツをお教えしますね。

それは、"観察力"です。「なぁんだー」と思われるかもしれませんが、動物の介護では"観察力"ってとても大事なんですよ。で、何を観察するかといいますと、例えば食事に関していえば、普段から愛犬、愛猫が食事している姿を観察する(見る)ということでしょうか。

食べ方のクセ、飲水との関係、残す時と残さない時の違い。。。など、見ていると色んな特徴って見えてきませんか?そして、それを続けていると、変わったなぁという瞬間もわかってきます。実はそういった普段の観察から答え(YES)が見つかることって多いのです。そして、その答え(YES)って意外と"些細なこと"ということも。。。

例えば、食事に関してこんなエピソードがあります。あるワンちゃんをペットホテルでお預かりさせて頂いた時のお話です。その時は3泊4日とそのワンちゃんにとって初めての長期宿泊でした。そして、環境が変わる時には色んな事がおきるものです。"食べない。。。"これも、環境が変わったときに良く起こることです。

さて、初めての長期宿泊という事に不安(?)を感じつつ、飼い主さんとお話をしていた時のこと。飼い主さんは、
「多分食べないと思いますがお気になさらないで下さい。」
とサッパリとした口調でお話をされたのですが、なにせ"3泊4日"ですよ。やっぱり食べなかったら気になりますよね。とはいえ、飼い主さんも長期宿泊ということで万全を期すために、なるべく多くの種類の缶詰をご用意されていました。

そして、宿泊が始まりました。
1日目。。。は、普段食べる量の半分以下でしたが、なんとか食べてくれました。
2日目。。。は、私のお家にあるワンちゃんに大人気のちょっと高めの缶詰をあげることでやっと1缶を完食。
でも、食欲に対する減退の不安が。。。

そして、2日目の夜からは全く口につける事がなくなったのです。さぁ、困りました。。。
早速、この事を飼い主さんに日々の報告と一緒にお伝えしたところ、
「お気になさらないで。。。」
という返信が返ってきたのですが、なにせ3泊4日の長丁場。体調を崩して帰って頂く訳にはいきません!

そこで、いろんなフードを試したり、時間帯を何度も変えてあげたりと試行錯誤の連続でした。。。
でも、今回に限ってどうしても答え(YES)が見つからなかったのです。
「どうしよう???」
さすがに今回はダメかと悩んだ末に、もう一度、飼い主さんに現状報告と何かヒントは無いかとメールでお問合せをしました。すると、飼い主さんはある程度想定されていたようで、特に気にされてなかったのですが、(これまでの外泊でもあったようでした)返信いただいたメールの中に、あるヒントが隠されていたのです。

それは。。。「口をつけたらあの子は食べるんです」という何気ない一言でした。
それから、私は思い立って考えてあることを試してみたのです。それは、今までは、缶詰を食器の中に入れてあげていたのですが、それをやめて、床にペットシーツを敷いて目の前に缶詰を少しのせてみました。

すると、なんと、そのワンちゃんが食べ始めたんです!!
そして、口をつけてからは缶詰を完食するようになりました。これが、まさに"YES!"、私が一番気持ちのいい瞬間でした。その後、飼い主さんがお迎えに来られる時まで、この方法で問題なく食事をしてくれるようになりました。
そして、本当に元気に帰って頂きました。
如何でしょう?判ってしまえば答え(YES)は"些細なこと(なーんだ)"ですよね。

そして、今回の答えに対するヒントは、飼い主さんの観察("口を付ければ食べる")から来た何気ない一言にありました。食べてくれる理由って結局は、"ワンちゃん、ネコちゃんでそれぞれ"、"状態状況(若い、シニア、老犬、病気など)でそれぞれ"なんですね。
だからこそ食事の悩みって難しいんでしょうが、"観察"が解決のヒントになる事も多いのです。(必ずとは言えないことはご理解下さい)ぜひ、普段から愛犬、愛猫のこと色々と観察してみてくださいね。きっと何かの役にたつと思いますよ。

それでは今回はここまでです。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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