動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第43回 女の子と子犬のほっこり物語

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


私は小学5年生の「けい」。ちょっと学校に行けなくてずっと家にいる。何をするわけでもなく部屋で宿題をしてご飯を食べてテレビをみて寝る。特に趣味もないから退屈な日々。お父さんともお母さんとも口を聞かなくなって独りぼっちでいる気分。

でもね、ある日、お父さんが「子犬を迎えようか」といきなり言い出した。元々犬に興味がなかったから「どっちでもいいよ」と答えた。そしたら数週間後、本当に子犬を貰ってきた。小さなコロコロした子犬の「メイ」。でもお父さんから出てきた言葉は「片目が見えてないんだ」と。何でそんな子をもらってきたのか私には理解できなかった。元気な子の方が飼いやすいじゃんと子供ながらに思った。

でも、見えてないのに元気に走り回るし、飛びつくし、ご飯ももりもり食べる。それに「遊んで~!!」と私に寄って来る。最初は、嫌だったけどどんどん可愛くて気が付いたら今まで部屋にばっかりいたのがリビングに自分から降りてきてメイに話しかけてる自分がいた。メイがきた事で家族との会話も増えて、笑顔になる日も増えてきた。それでも外に出るのは恐くて散歩はお父さんとお母さんにお願いしてしまってた。でも、ある日、お父さんとお母さんが散歩に行くのを見てるとメイが玄関の入り口で踏ん張った。「えっ?行っておいで」と言われてもずっと踏ん張っていこうとしない。いつもならスタスタ喜んで出て行ってたのに。そしたら「一緒に行こう。メイがいるから大丈夫。」とお父さんに言われて6カ月ぶりに外に出る事ができた。でも、心臓はバクバクしてて不安だらけだったけどメイが時々、振り返って「大丈夫?」と言ってるかのように見てくれる。メイがいるから大丈夫!そう信じて少しずつ外に出れるようになった。目が見えないとかこの子は関係ないんだ。この子はちゃんと前を向いて歩いてる。と気づいて自分も進んでみようと思って学校にいけるようになった。毎日、散歩に行く事が私の趣味になっていた。それから10年後、私は、メイに教えてもらった事を他の同じ気持ちで悩んでいる人たちに伝えたいと思ってドッグセラピーの勉強をする為に犬の専門学校にいき、メイと一緒に仕事をしています。「メイ」が教えてくれた事。それは「今を生きる」事でした。「ありがとう、メイ。これからもよろしくね」

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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