動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第6回 動物病院から学ぶトレーニングの必要性③

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


最近、多頭飼いをされている方を多く見ます。
ペットロスの軽減の為、兄弟犬と一緒に飼いたい、遊び相手がいる方がいい、といったように2頭目以降を家族として迎え入れる方が多いように感じます。

動物病院ではその同居犬同士で起こる問題があります。今回はその問題についてです。

ずばりそれは、犬同士の喧嘩です。
よくある内容は「犬同士が喧嘩して目を怪我した」「皮膚が避けて出血している」などといった内容があります。
酷い場合は、眼球がとれてしまい眼球摘出、縫合手術、最悪のケースでは亡くなってしまうという事例があります。
特に小型犬同士の喧嘩が多いように見られます。

では、なぜ同居犬同士の犬の喧嘩が起きてしまうのでしょうか?
それは、一言でいいますと『飼い主がリーダーになれていないからです』
と言ってしまってはここでこの話の記事は終わってしまいます(笑)
また、この言葉にカチンと来た方、えっ?どういう事?と思った方、まだまだ続きがありますので落ち着いて読み進めて下さいね。

例えば、花子ちゃんと太郎君の小型犬が家族にいたとします。
花子ちゃんはお母さんが大好きで、ずっと側にいておやつがほしい時は自らお座りをするお利口さんです。
太郎君も同じで、ご飯の時間になると『ご飯の時間だよ!』と知らせてくれます。
ただ、苦手な事をされそうになるとガウッと怒ってしまうので、嫌がる事は極力しないようにしてあげています。
苦手な事をするのを避けていればとてもお利口で問題もなく、楽しく過ごしているそうです。

ですが『花子ちゃんがお母さんに触ってもらっている時に、太郎君が近づくと喧嘩になる』のです。

ここで皆さんは何を思うでしょうか?
『花子ちゃんはお母さんが大好き!』『太郎君が焼きもちをやいて怒っている!』等々、意見は様々だと思います。

ですが! 一番に考えて下さい。

犬は『群れ』で生きる生き物です。
必ず群れの中には「リーダー」がいます。
「リーダー」はたくさんの指示をだして群れを統一する役割です。

ここで先ほどの花子ちゃんと太郎君の行動を思い返してみて下さい。
『お座り』といってもないのにお座り、これは犬の心理でいうと『おすわりしたんだからちょうだい?』
『ご飯』の時間を太郎君が知らせている、これは『僕のご飯でしょ!早くして!』といった小さな犬達からの指示がでているのです。
「自発行動」ともいわれる内容ですが、立場が逆転してしまっています。
飼い主と犬の逆転の状態です。
その状況の中では犬の心理では飼い主さんが「僕が、私が、お母さんを守らなければ!」という意識にかわっていきます。
もしくは「僕の、私の、大事なお母さんに近づくな!」といった主張がでてきます。
そこで犬同士が「お母さん」の管理権を奪い合い喧嘩になってしまうのです。

『じゃあ、どうしたら飼い主がリーダーになるんですか?』
はい、とっても簡単です。『ぶれない事』です。

これはいい、あれはだめときっぱり言ってあげられる人になって下さい。
人間関係で考えてみてください。
『これどうしよ~。ん~・・・・』といった上司についていきたいでしょうか。

これはダメ、あれはダメといけない事ばかりしてしまうと口うるさい飼い主さんになってしまいますので、しっかりいいことは褒めてあげるのは忘れないでくださいね。

なぜしつけ教室があるのか。
いざという時にしっかり指示が出せるように、どんな時でも犬が飼い主さんの意見を優先してきけるようにするために、私はおこなっています。
もちろん可愛いトリックや芸を教えて楽しい時間を過ごす事もとても大事です。
ですがそれよりも、日常生活の中で犬と人がしっかり意思疎通できるようになる事が最優先です。
それができて初めてたくさんの趣味で楽しむ事ができると思っています。
犬達はもちろん可愛くて大事な家族です。
家族として迎え入れた犬達が喧嘩をして怪我をしてしまうと、お互いストレスになります。
2頭目、3頭目を迎え入れる前に、先住犬と相性があうか、リーダーになれるのか、しっかり話し合って迎えてあげて下さいね。
亡くなってしまった子、部屋を別々にして生活をしなければならなくなった子、手放さなければならなくなってしまった子と、たくさんの犬たちをみてきました。
一度は、家族として迎え入れた子です。しっかりと覚悟をもって家族にしてくれる人たちが増えてくれる事を願います。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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