動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第41回 犬り言ーダンディ目線ー

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


俺は、「ダンディ」。人間社会を学ぶ為に一人の女の人の元で修行をする事になった。けど、もー何が怖いってすべてが怖い!!首輪、リード、物、音、そして人!!すべてが怖い。だから神経ピリピリ張ってるから体もガリガリ。いつでも神経をはっとかないといつまたどうなるかわからないからな。あっ!またあの人が来た!!緊張でまたおしっこしちゃった…。またあの人、嫌な顔してる。恐いなー・・・・。とこんな毎日を送ってました。ここで俺の伝説を紹介しましょう。でも俺は悪くないんですよ。あのトレーナーが悪いんです(笑)

ある日、僕を散歩させようとしてドッグランにだしてリードつけて歩かしてくれた。でも僕は恐くてひたすら暴れて逃げようとした。これでもかっていうくらい暴れたけどこの人、まだまだ引っ張るから俺も本気になって抵抗したんだ。そしたら僕がなんだか体が熱くなってきてちょっとふらついちゃった。僕の得意技は嫌になったらひたすら寝技でべったりとして動かない!がお決まりだったからこの人も気づいてなくて…。
でも途中で気づいて僕を抱っこして応急処置をしてくれた。初めて抱っこされて水風呂に入って…。水風呂は気持ちよかったな~(笑)でもこの人、目に涙をためてた。悲しそうな顔して。「ごめんな。ごめんな。」って。僕にはまったくわからないけどその日、ずっと一緒にいてくれた。恐かったけど、ゆっくり寝れたんだ。熱中症で体温計の温度がぶっとんだのは初めてだって獣医さんが言ってた。やっぱりすごいや俺。

この時、姉さんが言ってた。「もっとダンディーの気持ちみてあげたらよかった」って。本当にそれは思う。
強制されても犬からしたら恐いだけなんだ!って声を大にして言いたい。形はできるようになるかもしれないけど繋がってはいない。でも姉さんは途中で気づいてくれた。だから僕も変われた。僕と姉さんが心がつながるのはまだ先の話だけどこの時、お互いが必死で戦ってたのは間違いない。だから犬の立場から言わせてね。「僕たちの心をしっかり読んでください。心が変わらないとまた、壁が出来てしまいます」僕たちは理由があって噛む、吠える、逃げるがある。もちろんどうしようもなく遺伝の病気の子もいる。だけど人が読んでくれないと不安になってしまうからね。

次回は、少し「俺から僕」に変わった出来事を話すね。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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