動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第11回 動物病院から学ぶトレーニングの必要性⑤

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


動物病院には子犬からお年寄りの犬達がたくさん訪れます。やはり年齢を重ねるとともに病気も増えてきます。今回は、老化を防ぐトレーニングをご紹介させて頂きます。

「発散」には二つの方法があります。
一つ目は、体を動かして疲れてもらう「運動」です。「運動」だと、もちろん散歩が含まれてきます。若い時には散歩の時間もたくさんできて発散させてあげる事ができますが、年齢とともに疲れがはやくなってきてしまい足腰にも負担がかかってしまうのでやりすぎは体にあまりよくありません。

もう一つの発散方法は「頭を使ったトレーニング」です。知育トレーニングともいわれます。私の教室でも行っているトレーニングが「クリッカー教室」です。「カチッ」という音とオヤツを関連づけさせて遊ぶトレーニングです。
これは応用して言葉にかえることもできますから日常生活でも利用できますよ。

まずは「カチッ」という音とおやつの関連づけがしっかり組み立てができた状態にまでもっていきます。例えば、お座りや伏せを教えるときは形を誘導しながら教えていきますが、このクリッカートレーニングは自分で行動した事のみにクリッカーがなるので、その行動が強化されていきます。よくテレビで見かける天才犬と呼ばれる犬達に、たくさんの芸やトリックを教えているのもクリッカーが多いです。

「カチッ」と音がなるには、どうしたらおやつが出てくるかを犬に考えさせるトレーニングになります。難しくいうと「自発的行動」を強化することになります。クリッカートレーニングをすることで脳を活性化させる事もできます。痴呆を防ぐこともできますからシニア犬にはおすすめです。

また色々な動きをするようになるので足腰の筋肉の老化防止にも役立ちます。年齢を重ねてくるとあまり興奮させないようになどまったりした時間を過ごしてしまいがちですがやはり意欲がある子の方が長生きもできますし年を重ねても飼い主さんと一緒に何かをするという事が楽しいと嬉しい気持ちになりますよね。

これから暑くなってくる時期に散歩にいけないけど発散させてあげたい方などにはいい練習になりますし天才犬への一歩になるかもしれません。犬と過ごす時間はあっという間です。その大切な一日一日を飼い主さんと一緒に楽しく過ごせる方が増えてくる事を願っています。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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