動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第27回 犬の学習って?①

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


犬の学習の仕方って何だろう?と考えた事はあると思います。今回は、楽しく犬の学習のしくみを学んでもらえたらと思います。
トレーニングをするときに、形だけできてもなぜ成功と失敗があるのか?犬の考え方を知っておくとコントロールしやすくなるので、この際にお勉強してもらえたらと思います。

犬の学習に忘れてはならない2つの「条件づけ」があります。1つ目は「オペラント条件付け」、2つ目は「古典的条件付け」になります。難しく聞こえますが知りだすと面白いですよ。今回はこの2つのうち、オペラント条件付けを詳しくご紹介します。

―オペラント条件付け①ー

オペラント条件付けとは、ある行動の結果によってその行動自体が増えたり、減ったりする事を表します。ある行動をした直後にいい結果が現れると、その直前の行動が増える、というのが「正の強化」です。これはよくトレーニングで行う、クリッカートレーニングになります。
次に、ある行動をした後に嫌なものが現れると、その直前の行動が減る「正の罰」があります。

この2つを私達で例えると「正の強化」では、宝くじで1万円が当たったとします。そしたらまた買ってみようかな?と良いイメージがわきますよね。こういった風にプラスに期待するのが正の強化です。

「正の罰」では、静電気がわかりやすいかもしれません。ドアノブを触るとバチバチッと音がしたとします。また、次に触った時も静電気が起こると、次は触りたくないな~と思った事はないでしょうか(笑)これが正の罰です。

では犬でこの2つの例をご紹介しましょう。
「正の強化」は、お座りをしたらご褒美が出てきた、を繰り返し行うと、まだ指示を出してもないのにお座りをする、なんて事を経験されていると思います。これも正の強化です。プラスのイメージが強くなり期待している状態です。
「正の罰」での例では、人に飛びかかった時に物にぶつかったとします。そしたら「痛い!」思いをしますよね。そしたらまた嫌な事が起こるかも?と警戒して飛びつく行動が減る事をいいます。

色々な問題行動で使える二つです。もちろんタイミングや罰の与え方はトレーナーに相談しながら行うのがベストですが、日常の中で今の練習は「正の強化」なのか「正の罰」なのか考えてみると面白いです。言葉はとても難しく聞こえますが、私達が無意識に行っている事もあると思います。

オペラント条件付けにはまだあと2つの言葉がありますが、それはまた次回ご説明させていただきますね。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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