動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第14回 動物病院から学ぶトレーニングの必要性⑥

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


「口輪」という言葉を聞いてみなさんはどう思われるでしょうか?「可哀想」「噛むイメージ」この二つの意見が多く見受けられます。動物病院でも必ず必要とする「口輪」。
ではなぜそんなに口輪が必要なのでしょうか。

犬達の最大の武器は「歯」です。このシリーズでは何度もお伝えしてきましたね。
その最大の武器をふさぐ事で犬が戦う意欲がなくなるのです。もちろん、それでも果敢に向かってくる犬もいますが人間側は安全です。お互いが安全に落ち着いて対処できるように、今のうちから口輪をつけられるようになってあげておいてくださいね。

また、恐がりの子は、口輪をする事で周りから守ってあげられます。

例えば、人が怖いのに、お散歩中に走って近づいてこられて、ガブリと怪我をさせてしまった例があります。人間側が犬の許容するスペースを乱してしまい、パニック状態で噛んでしまう行為も少なくありません。
その時に口輪ができるようになっていると、犬も人間側も距離を置いて接する事ができますよね。人間側からすると「あ、これ以上近づいたら嫌がるのかな?」と近づかなくなってくれますね。もちろん触れ合えないなんてかわいそう!と思われるかもしれませんが、愛犬を守るためでもあります。その子が落ち着いてお散歩できるのが理想の散歩だからです。
お互いが安心して信頼して歩ける散歩こそが、リラックスした状態のお散歩トレーニングです。

口輪にも今は色んな種類のシリーズが出てきています。口回りをすべて塞げる口輪や、鼻先だけ穴が開いているソフトマズル、あひるのカタチをした口輪など、様々なシチュエーションで活用できるようになっています。

獣医に見てもらう時にいきなりつけてしまうと嫌なイメージがついてしまうので、日頃から慣れさせておく練習をしましょう。

まずは口輪のわっかの中にオヤツをいれて、自分から口輪に鼻を入れる練習からスタートです。何回も繰り返しているとだんだん自分から自然に鼻をいれるようになってきます。それができるようになってきたら両側についてる紐を耳の付け根までもっていきます。まだ完全につけていない状態です。耳の付け根までできたら、最後はカチッと後ろでとめるようにしてあげて下さい。

口輪をつけても楽しい遊びや散歩にいったりなどして嫌なイメージをつけないでおくと色んな場所で活用する事ができるのでぜひ、深く考えすぎずに練習してみてくださいね!!

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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