動物病院から学ぶトレーニングの必要性
第1回 動物病院から学ぶトレーニングの必要性①
動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。
動物病院に訪れる機会が多くなるとたくさんの患者様や犬達に出会う機会が増え、改めてトレーニングの重要性に気づかされる事が増えました。
動物病院は体調不良を見てもらったり、元々持っている病気の治療をしたり、ワクチン接種を受ける場所で、様々な物語があります。
最近私が見かけたり獣医師からよく聞く話、それは犬の「交通事故」です。
多い犬種は「柴犬」。怪我の度合いは様々で、骨折から内臓損傷、脳震盪など。
奇跡的に無傷の犬もいます。
何故、柴犬が事故に遭うのが多いのでしょうか?
「ノーリードでのお散歩」
「首輪が抜けてしまい脱走」
「引っ張られた衝撃でリードを離してしまった」
この3つの多くが<リードと首輪の必要性の意識の違い>でした。
柴犬は犬種的にも独立心旺盛で、「柴犬」のセミナーがある程トレーニングの仕方も様々です。
拘束されるのが苦手なので首回りを触られたり、コントロールされるのが不得意な子が多いのも特徴です。
柴犬に限らず、犬は無理やりこちらの要求を通そうとすると余計にいやがるようになってしまいます。
ノーリードで交通事故にあわせてしまったというオーナー様に状況をお伺いすると、子犬の時からリードが嫌いで装着にも時間がかかり、仕方なくノーリードにしてあげていたそうです。
ですがある日、いつもは帰る時に首輪をつけるのに、その日は軽い気持ちでノーリードで歩いていたら突然交差点に飛び出し、車に轢かれてしまいました。
救急で病院に走り、両足骨折の全治4か月の大けがを負わせてしまったそうです。
首輪が抜けてしまった例は首輪のサイズを苦しいかもと思い余裕を持たせていてリードを引っ張ったり暴れた時や踏ん張ったときにスポッと抜けてしまった状況が多く見受けられました。
最後のリードを離してしまった例はコントロール出来なくて力負けをして逃がしてしまった状況でした。
首輪に対してマイナスなイメージを持たれる方が多いですが、トレーニングの中で一番コントロールしやすい道具でもあります。
もちろん気管に問題のある子や老犬に関しては別になりますが、子犬の時から首輪をつける練習、リードになれる練習をしておくことで愛犬を危険な場所から守ってあげられます。
リード、首輪のしっかりとした使い方、コントロール一つで簡単にお互いがストレスのない散歩に変えられます。
・首輪のサイズは人差し指一本分が入るか入らないかのサイズにし、踏ん張っても抜けないように確認
・リードを犬の行きたい方向にばかりついていかない
首輪が抜けやすい犬種は、日本犬(柴犬、秋田犬等)、ダックス、コーギーといった首周りがしっかりしている犬です。
首輪をつかんでおやつをあげたり首回りを触っておやつをあげる等、良いイメージをつける練習を自宅でたくさん練習しておくと抵抗が少なくなり管理しやすくなります。
リードをつけて歩かない、踏ん張ってしまう時などは、待ってみておやつを見せたり、諦めてこちらにきたらしっかり褒める等、来たら良い事があるよ、というトレーニングを行ってみて下さい。
また、引っ張るほうにずっとついていくのもリードの主導権が犬にかわってしまうので要注意です。
外で愛犬を危険から守るものはリードです。
そのリードの管理、コントロールするのは飼い主様です。
愛犬がけがをして一番つらいのは愛犬です。
手術をするのにも麻酔が必要になり体に負担をかけてしまいます。
ずっと健康で、飼い主様と一緒に笑顔で過ごせる楽しい時間になるように今一度、首輪とリードの重要性を考えなおしてみてくださいね。
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プロフィール
著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー
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