動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第24回 栗ちゃんの毎日~part1~

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


最近、我が家にやってきた栗(ダックスフンド)は8歳の男の子。とある事情で里親になりました。
問題は、「留守番が出来ない」「ケージの中で吠える」「他犬に対して吠える」「ご飯を食べない」でした。

まずは、我が家に慣れてもらう、そしてヘルニアの病気の経験があるので太らせてはいけないのですがメタボリックな体系になっておりました。まずは、健康体になってもらう所からスタートです。ご飯を食べないのにメタボリック?とお思いの方もいらっしゃると思いますが、どうしても食べない子に出会うと「缶詰をあげないと食べない」「フードを変えないと食べない」といったグルメ犬になっている子が多いです。そうなるとどんどん食べるものが減っていき、いざ入院した時や体調を崩した時に食べれる物がなくなってしまうのです。まだ体調も悪くなく元気な状態であれば、管理を見直していきましょう。

栗ちゃんは我が家のフードを全く食べなかったので、2日ほど絶食をさせてみました。他の同居犬は食べるのに栗ちゃんは食べず、違うおやつだと食べるというグルメ犬です。3日目の夜にフードをふやかしてあげてみると少し食べだしました。こういう時は、わざと食べてる途中にこちらから切り上げてしまいます。そうする事で「今しか食べれない!」というハングリー精神が沸き、食べる事に意欲が出てきます。作戦は成功し、次の日からは一瞬で食べるようになりました。栗ちゃんにとって食べる事が二の次になっていたのが、今ではきっちりと完食しています。

よく「置き餌」を耳にしますが、いつでもあるご飯は犬にとってあまり魅力がありません。いや、まったく興味がありません。人間だって、どこでも売ってるような物に魅力は感じませんよね?たまに出てくるA5ランクの松坂牛には目を輝かせて魅力を感じます。私なら一瞬でたいらげてしまいます。犬にもそれくらいご飯に対して意欲を持ち、健康に生きていってほしいのです。

「ご飯」の管理をする事も立派なトレーニングです。いつでもどんな状況でも食べれる心理状態になってもらうために、今一度食事管理をしてみて下さいね。また、食欲旺盛過ぎる子は、最近ではでこぼこした食べにくいフードボールが売っています。一気食いをしてしまうと詰まることもあるので要注意です。

愛犬にあった正しい食事の仕方をさせてあげてくださいね。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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