動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第39回 犬り言ーダンディー出会い編

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


今日も朝起きて「オハヨー!!!」と声をかけてくる。うるさい声。何でいつもこいつはハイテンションなんだろう。「ダンディ~おはよ~!!」わかったから。起きるって!と言ってもニコニコずかずか触ってくる。ただただ迷惑。「トイレしてね~!」はいはい。ちょっと見られると恥ずかしいから背中向けてる間にしよっと…。

このうるさい女の人は、最近、出会った。俺が野犬の群れから離れて捕まった時に突然現れた。今までは、とりあえず威嚇したら皆、ひいてたのにこの女だけはひかない。むしろぐいぐい来る。でも、この女も俺がパニックになるともっとパニックになってた。必死さが伝わってくる。でも、何を伝えたいのか俺にはわからなくて「人間」を知らない俺は、絶対に信じるもんかと頑なに「野犬のダンディ」を貫いた。
でもだんだん、「こいついいやつ?」と思いだして来て疑いながらも一緒の生活をしてみてやった。うん、案外悪くないかも。いやまだ信用したらだめだ。自分との葛藤と闘いながらも俺に向き合ってくれるこの女をみて徐々に「人間」を知ってみようと思った。でもちょっと見られると緊張して逃げてしまう。でもこいつは逃げたらだめっていう。あれ?この女、俺に指示してくる?(笑)すげー。。ちょっと聞いてみようかな。この人、散歩でも堂々としてる。俺はついていくしかない。むしろこんな音や物がいっぱいあるのにさっそうと歩く姿、侍やっ!!!と俺は思った。
体を触られると緊張する、けど日に日にそれが気持ちよくって嬉しくってまんざらでもない。いつも俺に向き合ってくれるこの人、いや「人間」を信じてみようかな。

ダンディは、元野犬でその地域の群れのボスでかなり強い存在だったようです。保健所に保護され、里親募集をかけるにも今までにない暴れ方、脱走、と職員さん、ボランティアさんを悩ませました。
とあるご縁でダンディをトレーニングする事になりダンディと私の闘い?いえ、成長記録が誕生しました。
これを記事にできるようになったという事は、それくらいダンディも私も成長できたという事なんでしょう。でもまだまだ課題が山積み。そんなダンディと私の成長記録を見届けていただけたら嬉しいです。
もちろん成長記録の中に恐がりの犬を飼われてる方は参考になるかもしれません。ダンディ目線と私目線の二つを掲載させて頂きます。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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