動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第17回 動物病院から学ぶトレーニングの必要性⑦

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


動物病院には様々な問題で病院に来られる患者様と犬達がたくさんいます。その診察までの時間の待合室での対処方法をお伝えさせていただきます。

フィラリアやワクチンの時期は、どこでも診察までの時間が長く疲れてしまうのではないでしょうか。その時によく見られる光景が、他の犬に向かって吠える、他の飼主様に対して吠える、といった落ち着きがない状態で診察までの時間を過ごし、ひどい場合には外で待たないといけなくなってしまう事もあるかと思います。

そこで今回は、どこでも気持ちを落ち着かせる事ができるようにマットトレーニングをご紹介します。
マットのサイズは愛犬の身体が治まるくらいのサイズで大丈夫です。そこにいる間は静かに待てるようにしておく練習です。

まずはマットに対して良いイメージをつけてもらいたいのでおやつを小さめにして用意しておきます。そしてそのおやつをマットの上に転がしていきます。それを何度も何度も繰り返し行っていきます。この時は何も号令はいりません。そうすると犬の頭の中では『マットの上にはおやつが出てくる!』と考えだします。そうしていると自分からマットの上に行き始めるので、犬の方からマットに行ったらおやつをマットの上であげましょう。
号令もださずに自分からマットの上に行き始めたら、次は行こうとする時に『マット』の号令をつけてマットの上に到着したら御褒美をあげて下さい。ここまでが『マット』に行くといった練習です。

ですが、そこから待合室ではじっとしていてほしいので『待て』の練習を行っていきます。いきなり『待て』の号令をだしても、犬は頭の中に待ての意味がわからなくて雑音になってしまい、無駄になってしまいます。

まずは、待ての段階を教えたいので『マット』の号令を出しておやつを上げるタイミングをずらしていきます。
「タイミングをずらす」とは、マットについた瞬間に一つおやつをあげます。その後、数秒後にまたマットの上でおやつをあげる、というのを繰り返していく練習です。

マットは病院だけでなく、ドッグカフェやハウスの中にマットを置いておいてあげる事で、安心してくつろげる空間になります。自分の感情をコントロールできるようになっておくことで、犬達のメンタルも安定していきますので、是非お家でもトレーニングしてあげてくださいね。
また、トレーニングも積み重ねが大事なので毎日5分でも10分でも向き合う時間を大切にしてください。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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