動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第35回 トレーナーになるきっかけ~そらの思春期編~

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


子犬の時期を乗り越え大人に成長していく愛犬のダックスフンドのそら君。6カ月を過ぎた頃からでしょうか、少し変化がでてきます。
元気いっぱいなのにご飯を食べなくなり食ムラがでてきました。その度にフードを変えて行き苦労しておりました。他にも一番困ったのが人の手や足にマウンティング(腰フリ、自分の優越をつける為の行動)を頻繁にするようになっていました。人にだけでなく他の犬や自分の毛布にも…。最初は怒ったらやめていたのですが時間が経つ事にエスカレートしていきました。他にも外での散歩は引っ張り癖とマーキング(これも自分の主張です)が酷くてすべての電信柱にしてるんじゃないかと思うくらいでした(笑)。でもこの時はオシッコが外でできるなんてすごーい!!と思っていたくらいで今では考えられません。

この行動が強くなりだしてから自己主張が強くなり家でも吠える、噛み、腰フリをとめようとすると怒るといった問題がでてきました。そこでかかりつけの病院に相談した所「男の主張です。チンピラみたいなもんですよ」と一言。すぐに去勢を進められました。マウンティングもマーキングも腰の負担がかかる。ましてやダックスフンドなら尚のこと。ヘルニアになる確率があがるだけですよ。と言われました。でも学生だった私は「自然のままの方がいい」「麻酔をかけるのはかわいそう」と悩みずるずると長引いていました。色んな先生に聞いてみよう!と他の病院にも行きましたが「前立腺のがん」のリスクを下げるためにもいいですよ。と。「マーキング」や「マウンティング」は絶対になくなるとはいえないけれど興奮を抑える為にはいいですよ。と言われ子供が欲しいわけでもないし長生きしてほしい!と思いを込めて9カ月で去勢手術を決意いたしました。やはり麻酔をかけるので信頼できる先生と納得いくまで相談してお願い致しました。
すると別犬!?と思うくらい大人しくなったのです。むしろ根暗になったのか!?と思うくらいです。もちろん個人差はありますので変わらない子もいます。ですがマーキング、マウンティングは一切なくなり、私もさせないように意識すると本当に見違えるくらい大人しい子になりました。

去勢の賛否はありますが、トレーニングするにあたってはした方が問題行動を抑えやすいかと思います。ただししっかりと獣医さんと相談される事をおすすめします。

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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