動物病院から学ぶトレーニングの必要性

第46回 【番外編】おじさんと柴犬「たろう」

動物病院から学ぶトレーニングの必要性

動物病院にてしつけ教室を開催しているドッグトレーナーさんが、来院されるペット達と接する中で改めて気付いたトレーニングの重要性を教えてくださいます。


私の家の近所に、散歩でよく見かけるおじさんと柴犬がいます。朝も昼も夜も、いつもニコニコしながら犬をみて歩いているおじさんの姿がとっても大好きで、ついつい眺めてしまいます。
ある日そのおじさんとお話しする機会が訪れたのですが、初めて飼った犬とのことでした。じっくりと犬を観察してみると、他の犬に対しても他人に対しても愛想バッチリ。しっぽをブンブン振りながら色んなところへ突き進み、おじさんはリードを持って付いていくばかり‥トレーナーの血が騒ぎます(笑)とはいえ普段、仕事から離れている時は「トレーナー」を捨てて普通の飼い主に戻っているので、その姿を見守っていました。
この時おじさんにある話をされたのですが、トレーナーである私が少し楽になった瞬間でした。『きっと周りから見たらダメな飼い主とダメ犬なんです。けど私はそれでいい。私はタロウをダメ犬なんて思わないし、私もダメな飼い主ではない‥と思う。ただこの子と楽しい時間を過ごしたいだけなんです。きっと、犬に引っ張られてはいけないとかいろいろあるんだろうけど‥ちゃんと私とタロウのルールがあって、それを守っていれば、他人に迷惑をかけない自信があります。』おじさんはニコニコとそう話されました。
それを聞き、私はハッとしました。これをさせてはいけないとか、これはさせないといけないとかを考えて頭でっかちになっていたのは私ではありませんか‥。その人達のルールはある。私も私の家のルールがあります。おじさんとタロウをみて改めて気が付きました。
確かにタロウはあっちへこっちへとウロウロしていて落ち着きはない。しかし、最後にはおじさんをしっかり尊敬し、きちんと指示を聞いています。それもいやいやでは無く喜んで‥。私とおじさんの違いって何だろうと考えた時に確実に違ったのが「笑顔」でした。‥仕事に追われる日々で、トレーニングがただの作業になってないかな?仕方なくやってないかな?と、考えさせられました。トレーナーの仕事をしていると、職業病のようなものでどうしても細かく指摘したくなってしまう自分がいましたが、飼い主さんとそのワンちゃん、それぞれの考え方とルールがあるんだと気づかされた出会いでした。
もちろん!他人に迷惑になるような考えやルールはちゃんと指摘しますよ。ノーリードとか、糞を持って帰らないとか‥(笑)
お散歩先で人と話すのって、情報交換にもなるし新しい発見に繋がったりもするので、たまにはいいものですよ。皆さんも公園や人と触れ合える場所に積極的に犬とおでかけしてみてはいかがでしょうか。素敵な発見がありますように♪

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プロフィール

著/高加奈絵
トレーナー
大阪動物医療センターでしつけ教室を開催。8年間、訓練所にて問題行動の改善、トレーニング、ドッグスポーツに関して経験を積む。
■取得資格
PSGドッグトレーナー、アニマルアロマ、トリマー

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