ドッグカウンセラーのコラム ペットと一緒に暮らすために
その18 ペットカートに犬を上手に乗せる方法
専門のドッグカウンセラー執筆!ペットと一緒に暮らすために必要なしつけの仕方や体調管理の知識、ペットに関する豆知識などをご紹介します。
ペットカートを購入し、これでわんちゃんとたくさんの場所にお出かけしよう!と意気込んでいたものの、ペットカートに上手に乗せることができずにお出かけを断念してしまった人もいるのではないでしょうか?
特に若いわんちゃんは、動くことが大好きで、一箇所にジッとしていることが苦手だったり、いろんなものに興味があり飛び出してしまう傾向にあります。
また怖がりのわんちゃんは、最初からカートにのせて動かすと振動にビックリして、逃げ出そうと飛び出してしまう場合があります。
わんちゃんの安全の為にも大人しくカートに乗る練習をはじめてみましょう。
最初からどこまでできるかは、わんちゃんによって違います。
どの段階でつまずいているのかをチェックしてその部分から練習を始めてみて下さい。
わんちゃんに何かを教える時は、少しずつ段階をあげることが大切です。
焦らずゆっくり継続して取り組みましょう。
① カートのわんちゃんが乗る部分に大人しくとどまる練習をしましょう。
高い場所に乗せられることで緊張するわんちゃんもいます。
もし乗せる部分が取り外せる場合は取り外し、それを地面において、まずは地面の上でその中にはいりとどまる練習をします。
取り外せない場合は、同じ大きさの段ボールや箱などを使って練習しましょう。
中にわんちゃんをいれ、その中でおやつをあげたり、ご飯を食べさせたりして良い印象を与えます。
自分から飛び出す習慣をつけない為にも、おやつは箱に入っている間は連続であげ、その中にいる時に優しい声をたくさんかけてあげます。
すると、だんだんとどまれるようになるので、おやつをあげる間隔をあけていきましょう。
箱から出す時は必ず抱っこし、自分から勝手にでるという癖をつけないうように注意して下さい。
家の中に箱をおいていると、自分からはいって休憩したり、眠ったりすることが増えてきますので、その時も忘れずにしっかりと褒めてあげて下さい。
箱の中にいることが快適になると、おやつをあげなくてもその中でとどまるようになってきます。
屋根がついているタイプのものは、屋根をつけ、短い時間から屋根をしめる練習をしましょう。
隙間からおやつをあげると効果的です。
わんちゃんが閉じ込められたと思うと暴れてしまいますので、閉じ込められたと思わない時間で出してあげることがポイントです。
少しずつ入っていられる時間を延ばしていきましょう。
② カートの上にのせて、そこでとどまれるように練習しましょう。
地面においた状態で大人しく入っていることができるようになったら、カートにのせて①と同じことを行い、カートの上にいる時間を少しずつのばしていきます。
この時にタイヤをしっかりロックし、動かさないようにすることがポイントです。
怖がりのわんちゃんは、動きにビックリして飛び出してしまうこともありますので注意して下さい。
また、おやつをあげたり優しい声をかけてあげるタイミングは、わんちゃんの4本の足がカートの底についている時だけです。
カートのヘリに足をかけて飛びついている時などは絶対に褒めないようにしましょう。
③ カートを動かしても大人しく乗っていられるように練習しましょう。
カートの上でも大人しく乗れるようになったらカートを動かし、振動に慣れさせてあげましょう。
動かすのも少しずつゆっくりとレベルアップし、わんちゃんが怖いと思わないように練習することがポイントです。
④ 慣れた場所でのお散歩から初めましょう。
家の中でカートをどのように動かしても大人しく入っていることができるようになったら、今度は少し外出してみましょう。
若い犬は、エネルギーがあまっている状態でジッとすることはとても難しいので、最初はお散歩が終って充分に疲れている時に練習するとうまくいきやすいです。
この時も最初から長い距離をお散歩するのではなく、短い距離から少しずつ距離を延ばしていくことが大切です。
4本足がカートの底についた状態の時に褒めることを忘れずに。
2本足で立っていたりカートのヘリに足をかけている時は優しく足を降ろさせるようにしましょう。
⑤ いろんな場所で練習しましょう。
④までできたらいよいよカートに乗ってお出かけです。
最初から遠い場所へ出かけるのではなく最初は近場から始めてみて下さい。
また、電車やバスに乗る場合も最初は練習として電車やバスを見るだけ、1駅だけのってみるなど少しずつが大切です。
カートに乗ったら楽しいことがおきるという印象をつける為にでかける目的地は楽しい場所であることが大切です。
また、カートの中を快適にする為に夏は下に保冷剤を敷いてあげ涼しくする、冬は暖かい毛布を敷いてあげるなどの工夫も必要です。
※自分のわんちゃんはどこまでできて、どこからができないのか、なぜできないのかをしっかり考えて、少しずつ慣れるように練習すると、必ずできるようになります。
どうしてもうまくいかない場合は、プロにお願いするほうがいいかもしれません。
お互い楽しくお出かけできるようになるといいですね。
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プロフィール
著/山形祝代
株式会社do しつけ部門DOG-ECO 代表
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM ドッグライフカウンセラー、GOA JAPAN、DCNサブアシスタントコース卒業
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