ドッグカウンセラーのコラム ペットと一緒に暮らすために

その7 動物愛護法

ドッグカウンセラーのコラム

専門のドッグカウンセラー執筆!ペットと一緒に暮らすために必要なしつけの仕方や体調管理の知識、ペットに関する豆知識などをご紹介します。


動物愛護法が改正され、生後まもない犬と猫の販売規制と、インターネット上でペットを取引する際に対面での説明などを義務付ける法案が8月28日、衆院本会議で可決され29日の参院本会議で可決、成立しました。

改正案は、生後56日を経過しない子犬と子猫を、販売のためにペット店やオークション業者などに引き渡すことを禁止しています。ただし激変緩和措置として、施行から3年は45日、その後は49日と段階的に期間を長くすることで合意しました。56日への変更は施行後5年以内となっています。

子犬が早い時期に母犬や兄弟犬から引き離され、個別に隔離されて育つと、本来その時期に母犬や兄弟犬と接することで学ぶ、犬としての習性や犬社会でのルールを身に付けることができず、他の犬との関わりがうまくいかず、過剰に興奮したり、怖がったり、吠えたり、攻撃的になったりしやすい犬になる他、外の環境に対して恐怖心や不信感を持ったり、精神的な発育障害を伴いかねません。

動物愛護の観点から進んでいるドイツには、2001年から施行されている『犬の保護条例』があり、その中でもうすでに

●子犬を生後56日以前に母犬から引き離してはならない。ただし獣医学的な判断による場合を除く。やむを得ず子犬を母犬から引き離す場合には56日まで同胎犬と一緒に過ごさせること。

という項目があります。

他にも

●犬は戸外において檻や繋がれている場所からはなれたところでの充分な運動と飼育管理しているものとの充分な接触が保障されなければならない。また、犬の戸外での運動と社会的接触は犬種や年齢そして健康状態に見合ったものであることとする。

とあり、犬が健全に生きていくための保証もされています。動物愛護の観点からするとまだまだ発展途中の日本。今回の法改正、動物とのかかわり方を見直す良い機会ではないでしょうか?

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プロフィール

著/山形祝代
株式会社do しつけ部門DOG-ECO 代表
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM ドッグライフカウンセラー、GOA JAPAN、DCNサブアシスタントコース卒業

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