ドッグカウンセラーのコラム ペットと一緒に暮らすために
その8 ドイツの動物保護施設
専門のドッグカウンセラー執筆!ペットと一緒に暮らすために必要なしつけの仕方や体調管理の知識、ペットに関する豆知識などをご紹介します。
8月29日に成立された動物改正法。まだまだ改正が必要な法律ですが、1歩でも前に進んだことは嬉しく思います。
犬猫の殺処分数は年々減少し、譲渡数は年々増加し昔に比べると良い方向にむかっていますが、平成22年度年間に殺処分された犬猫は合計で約20万頭以上。まだまだ多くの犬猫が殺処分されているのが現状です。
動物愛護の観点から進んでいるドイツの保護施設について紹介しましょう。
ドイツの保護施設はティアハイムと呼ばれています。ティアハイムに収容された動物の仲介率は90%以上と高く、日本のように日数が決まっていて仲介されそうにないから安楽死させられるケースはなく、死期が近い病気の場合か極度の行動障害を持っている場合に限られています。
『犬の保護条例』により、犬が犬らしく生きる最低限の保証もされているので、犬が収容されている犬舎も室内と野外を自由に行き来できるタイプになっています。数年前にアメリカの保護施設を訪ねましたが、その施設も室内と野外をドッグドアで自由に行き来きできるタイプのものでした。また、その施設では、犬の性格判断テストを行い、行動に問題のある犬はトレーナーが一般の家庭にも受け入れられるように改善してから、またその犬を飼える環境にいる飼い主さんに限定して引渡しを行なっていました。
ドイツではペットショップでの生体の販売もほとんどないので、新しく犬を飼おうと思った時のティアハイムの利用率も高いそうです。子供のうちからティアハイムへの見学があったりと動物の接し方への教育もしっかりとされているようです。
歴史的な背景や国民性、もっている資源も違うので同じようにとはいかないかもしれませんが、日本でも日本なりにできる殺処分ゼロの仕組みができるだけ早くできるように1人1人が何ができるかをしっかり考え、実行に移していけたらと思います。
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プロフィール
著/山形祝代
株式会社do しつけ部門DOG-ECO 代表
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM ドッグライフカウンセラー、GOA JAPAN、DCNサブアシスタントコース卒業
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