ドッグカウンセラーのコラム ペットと一緒に暮らすために

その23 老犬でもできる嗅覚を使った楽しみ方

ドッグカウンセラーのコラム

専門のドッグカウンセラー執筆!ペットと一緒に暮らすために必要なしつけの仕方や体調管理の知識、ペットに関する豆知識などをご紹介します。


犬も年をとると運動能力、視力や聴力など様々な器官が衰え、今まで簡単にできていたことができなくなってしまいます。
また、寝ることが多くなり、身体や頭を使う機会が少なくなると、体力が低下し、脳が老化しやすいと言われています。
認知症は基本的には治療法がありませんが、脳への適度な刺激を与えることで犬の老化現象を遅らせることはできるそうです。

視力や聴力が衰えても嗅覚は最後まで残ると言われています。
今回はこの嗅覚を活かして脳を刺激し老犬でも無理なく身体を動かすことができる楽しい遊びを紹介します。

準備するものは、園芸用の植木鉢をいくつか、植木鉢の下にひく紙を何枚か、あとはわんちゃんの好きなおやつです。
まず、紙の上にひっくり返した植木鉢をおいたものをいくつか用意します。
その中の1つにおやつを隠し、どの植木鉢に食べ物が隠れているかをわんちゃんに当ててもらう遊びです。

見つけたおやつを勝手に植木鉢を倒して食べないように、見つけたことを人に知らせるアラートを教えておくと良いでしょう。
アラートはお座りやふせ、吠えることなど、わんちゃんがやりやすい動作を選び、おやつが入っている植木鉢の前でその動作をするように教えます。
私はふせをよく使います。

複雑なルールのある遊びなので、細かい段階を踏んで教えていきます。

① まずは植木鉢を1セットだけ使い、植木鉢の穴から匂いを嗅ぐことを教えます。

わんちゃんを植木鉢が見える位置で待たせ、穴の上からおやつをいれるのを見せます。
マテを解除し植木鉢に近づけます。
この時にわんちゃんが勝手に植木鉢を倒さないよう注意して下さい。
植木鉢の穴に鼻をつけ、匂いを嗅いだら、褒めて植木鉢をあけ、おやつを食べさせます。
これを何度か繰り返し、植木鉢の穴から匂いを嗅ぐことを学んだら・・・

② アラートを教えます。

手順はさっきと同様ですが、今度は穴から匂っただけでは植木鉢をあけません。
アラートと決めた動作を行なってはじめてあけ、おやつを食べさせます。
最初は号令をかけても構いませんが、何度か練習をしたら号令をかけるのをやめ自主的にアラートをだすのを待ちます。
おやつがはいっている植木鉢の前でアラートがすぐにできるようになったら・・・

③ 植木鉢を増やしていきます。

まずは2つの植木鉢の内1つにおやつをいれ、1つは何もいれません。
わんちゃんを待たせ、1つにおやつをいれたら「探して」と号令をかけ、植木鉢の前まで連れて行きます。
植木鉢の前でアラートをだしたら、正解でも不正解でも植木鉢をあけてあげます。
正解の場合はおやつを食べることがご褒美になります。
不正解の場合は「あーあ」など残念そうにつぶやき、もう一度待たせる場所に戻してやり直すか、隣の植木鉢を指してそちらを匂わせ正解できるよう誘導します。

最初はルールがわからないのでおやつが入っている、入っていないに関わらずアラートをだしますが、段々入っている方でださないと意味がないと学習し、入っていない植木鉢では匂いは嗅ぐが無視するようになります。
2つでできるようになったら、おやつを入れない植木鉢の数を3つ、4つ、5つ・・・と増やしていきます。

④ たくさんの植木鉢でできるようになったら

たくさんの植木鉢でできるようになったら、植木鉢の並べ方を円にしたり縦に並べたり、部屋一面にバラバラに並べたり、隠したりと変化をつけます。

⑤ おやつでできるようになったら

おやつでできるようになったら、大好きなおもちゃを隠したり、興味があまりないハンカチや時計などを隠しても、きちんと探してくれるようになります。
大好きなおもちゃは探した時におもちゃで遊んであげることがご褒美になりますが、興味のないものを探してもらう時は見つけた時にわんちゃんの好きなこと、おもちゃで遊ぶことやおやつをあげることをご褒美としてあげるようにして下さい。

嗅覚を使うことはわんちゃんにとってとても良い刺激になり大好きです。
ぜひ、お家でチャレンジしてみて下さい。

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プロフィール

著/山形祝代
株式会社do しつけ部門DOG-ECO 代表
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM ドッグライフカウンセラー、GOA JAPAN、DCNサブアシスタントコース卒業

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