ドッグカウンセラーのコラム ペットと一緒に暮らすために

その6 暑さしのぎの工夫

ドッグカウンセラーのコラム

専門のドッグカウンセラー執筆!ペットと一緒に暮らすために必要なしつけの仕方や体調管理の知識、ペットに関する豆知識などをご紹介します。


誌面ではおでかけする時にマットトレーニング(マットの上に行き、その上でふせをし、飼い主さんがよしというまでその姿勢をキープする)をおこなうと、落ち着いて欲しい場所を伝えやすくなると書きました。
暑さが厳しくなってきました。持ち歩くマットにも工夫をしてみましょう。

中にジェルがはいっていて、冷蔵庫にいれておくと何時間かつめたさをキープするマットや、冷感素材でできたマット、アルミボードなど、乗った時に快適だとそのマットの上に好んで乗り、その姿勢をキープしやすくなります。節電モードのこの夏、この他の暑さしのぎの工夫について考えてみましょう。

お留守番中や日中、水を凍らせたペットボトルをバスタオルなどにくるんで犬の寝床に入れておきます。ヘアゴムを使って、きつく結んでおくとバラバラになりにくいでしょう。
凍らせた保冷剤を寝床に敷き詰め、厚手のタオルなどを上に置いたり、先ほど書いたクールマットを使うのもお勧めです。
それを噛んだり、食べたりする場合は、タイルを使うのも良い方法です。スノコをひくと湿気がたまりにくくなります。
飲料水には、氷を入れ、食欲がない場合は、ご飯を冷蔵庫で冷やして与えるのも良いでしょう。

閉めきった室内や車内でのお留守番は、風が通らず思ったよりも暑くなるので要注意。日によっては、クーラーを使用した方が良いでしょう。

散歩時や外出時は、地面を触り人が熱いと思うなら、違う時間に行くようにしましょう。
ペットボトルに氷を入れたり凍らせた水を持って行き、頻繁にあげるようにします。
特殊な繊維で作られた涼しい洋服、首に巻くバンダナ、冷却スプレーもあるのでそれらを活用するのも良いでしょう。

犬は、寒さより暑さの方が苦手です。8月は特に暑さが厳しいので熱中症に注意しましょう。
熱中症を起こしやすいのは、熱のこもりやすい室内や車内での留守番時。庭で留守番する場合も日陰に入れず、直射日光にさらされたままだったり、日中、照り返しの強い舗装道路を散歩したりするのは要注意です。
鼻の短い短頭犬種といわれるパグやチン、シーズー、フレンチブルドッグや肥満犬も熱がたまりやすく特に注意が必要です。

熱中症の症状は、急激な体温の上昇のため、口を大きく開けて、ハァハァと息苦しそうに呼吸をしたり、よだれを大量に出すほか、嘔吐、下痢をしたり、ふらついて倒れてしまうことがあります。
対応としては、一刻も早く体を冷やし、水分補給を行うことが大切です。涼しい場所(日陰やクーラーのついた室内や車内)に移動させ、水が飲める状態であれば、水をたくさん飲ませて水分補給を行います。
スポーツドリンクがあれば、それを水で2倍くらいに割って飲ませるのが効果的です。
冷水で濡らしたタオルや保冷剤を体(大きな血管が通っているわきの下、内股のつけね)にかけたり、風呂場などで体全体に冷水をかけるなどして、急いで体温を下げることが重要です。
また、体温は下げずぎないように39℃ぐらいまで下がったら冷やすのをやめて、なるべく早く病院に連れて行き、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

これからが夏本番。熱中症に注意して暑い夏を元気にのりきりましょう。

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プロフィール

著/山形祝代
株式会社do しつけ部門DOG-ECO 代表
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM ドッグライフカウンセラー、GOA JAPAN、DCNサブアシスタントコース卒業

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