弁護士石井センセイのペット事件簿

第11回 ペットフードを巡る問題

弁護士石井センセイのペット事件簿

京都で弁護士をされている石井一旭先生に、実際にあったペットに関連する事件をご紹介いただきます。
「ペットを愛する方々に楽しく法的知識を身につけていただき、弁護士を身近な相談相手として感じてもらいたいと思っております。」


シュナウザーの太郎くんを飼っているXさんが、インターネットサイトでペットフードを購入し、太郎くんに与えたところ、体調を崩してしまいました。この場合、誰にどのようなことを求められるのでしょうか。

1 愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律

人間の食べ物については「食品衛生法」という法律があることをご存知でしょう。ペットの中でも犬と猫に関しては、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)により規制が定められています(なお、牛や豚、鶏などのいわゆる家畜動物の飼料については飼料安全法と呼ばれる法律がありますが、犬猫以外のペット、例えばハムスターやインコなどの飼料については特別の法律はありません。)。
この法律は、ペットフードの販売において名称や原材料、賞味期限などの表示義務を課したり(法5条)、輸入業者・製造業者に行政に届出を行う義務(法9条)、輸入業者・製造業者及び販売業者(小売業者を除く)に輸入・製造・販売の帳簿を作成する義務(法10条)等を課しています。
有害物質などが混入したペットフードが流通したり保管されている場合、特に必要があると認められるときは、農林水産大臣及び環境大臣が、必要な限度において、その商品を廃棄・回収させることができます(法8条)。また、有害な物質を含む疑いがあるような場合は、その製造・輸入・販売を禁止させることもできます(法7条)。
これらの措置をするための必要な報告の徴収権限や、立入検査の権限も認められています(法11~13条)

2 製造物責任法等の損害賠償請求

仮に、ペットフードをペットが食べて体調を崩してしまった場合、飼い主は、ペットフードの製造・加工業者や輸入業者に対して製造物責任を追及することができます(製造物責任法3条。いわゆるPL法と呼ばれる法律です。)。
販売業者に対して債務不履行責任を問うことも考えられますが、この場合は、ペットフードの賠償しか認められない可能性がありますので、有害なペットフードを食べて通院することになってしまった治療費等を請求する場合は、PL法に基づいて、製造・加工業者や輸入業者に対して賠償請求することになります。

3 ネット購入時の特則

前回紹介した電子消費者契約法に基づく「購入意思や内容の確認画面を表示するなどの措置を取る義務」以外に、通信販売による場合、商品到着時から8日間は、購入者が送料を負担することによって返品(申込の撤回・解除)が可能となるとの定めがあります(特定商取引法15条の3)。もっとも、業者側が、返品できないことや返品に一定の条件があることを明示(購入者が容易に認識できる方法により表示されていること)している場合は、この限りではないとされています。

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プロフィール

石井 一旭
京都大学法学部卒業、京都大学法科大学院修了。京都市内で「あさひ法律事務所」を開設、ペット問題をはじめとして、交通事故・相続・離婚・債務整理・不動産・企業実務・登記等、幅広い分野を取り扱う。司法書士有資格者。

あさひ法律事務所HP
https://www.asahilawfirm.com/

弁護士石井一旭のペット法律相談所
https://peraichi.com/landing_pages/view/lawyerishiipettrouble

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