愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

その8 嗅覚を活かしたゲームにチャレンジ

愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

最高のパートナーである愛犬との間で起こりうる様々な問題の解決法を、関西各地でしつけ教室を行っているドッグトレーナーの飯川さんが丁寧に解説。


犬の嗅覚は人間の数千倍~1億倍と言われていて、シニアになり様々な感覚が衰えていっても嗅覚が衰えることは少ないと言われています。
自慢の嗅覚を使った遊びは、しっかり理解をすると愛犬の大好きな遊びのひとつとなり、愛犬との絆がもっともっと深まることでしょう。

今回は、愛犬と簡単にできる嗅覚を使った遊びをご紹介します。

1 穴の開いた容器を用意しましょう。

愛犬が前足などでひっくり返したり開けてしまわないように、蓋が固定されているものか重めの植木鉢を用意します。

2 穴からにおいを嗅ぐことを教えよう。

まずは、どこからにおいを嗅ぐと良いかを教えます。
愛犬にマテをさせるかどこかへ繋いで近寄ってこないようにし、目の前でその穴におやつを入れる様子を見せて愛犬のちかくへ戻ります。そして愛犬を開放し、容器の穴に鼻をつけたら容器を開けて中に入っているご褒美をあげます。

3 アラートを教えよう。

アラートとは、「ココに入っているよ」と言う意思表示となる動作のことです。
(※災害救助犬の場合は吠えて知らせますが、一般家庭の遊びの一貫としては吠える以外の手段で主張できるようにする事をおすすめします。)
②が続けて2~3回成功したら、次は容器を地面に置いたままオスワリ又はフセをさせます。
出来たら、容器を開けて中に入っているご褒美をあげます。
必ず、容器のにおいを嗅いでからアラートをしないと、ご褒美はあげないように注意して下さい。

4 容器の数を2個に増やして、どちらに入っているか当ててみよう。

③が出来たら、容器の数をどんどん増やしてみましょう。

5 容器の数をどんどん増やし、おやつの数もランダムに入れて当ててみよう。

数を増やしすぎてわからなくなったら、数を減らして練習を重ねてね。

6 容器の数を2個に戻して、布系のものを探してみよう。

おやつが上手に探せたら、レベルアップ!
飼い主さんが使っているハンカチや、よく遊ぶオモチャなどを探してみましょう。
においを覚えさせるために、それを犬に近づけて犬が自分から臭ったらおやつをあげます。
その動作を2~3回繰り返し、においを覚えさせたら②の内容から順に練習してみましょう。

7 容器の数を増やして、布系のものを探してみよう。

8 容器の数を2個に戻して、金属系のものを探してみよう。

鍵や時計など、金属類のほうがにおいはつきにくく人間の鼻では嗅ぎ分ける事は難しくなります。
金属のものを使って、②から練習してみよう。⑥で行った、においを覚えさせる動作をすることを忘れないで。

9 容器の数を増やして、金属系のものを探してみよう。

10 飼い主さん以外のにおいを見つけられるかな。

他人の備品や香りが人間では感じ取れないくらいに薄めたアロマの香りなど、隠す物を変えて練習してみましょう。
この⑩までが出来るようになると、スゴイ!!!

※あくまで、愛犬と楽しむためのゲームです。愛犬が楽しんで練習しているところで練習はやめて、愛犬がイヤイヤやらないように気をつけてあげてくださいね。

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プロフィール

著/飯川綾乃
トレーナー
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM グルーミング検定、アニマルコーディネーター、JAHA看護士検定

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