愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

その12 よい犬はよい飼い主から

愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

最高のパートナーである愛犬との間で起こりうる様々な問題の解決法を、関西各地でしつけ教室を行っているドッグトレーナーの飯川さんが丁寧に解説。


お散歩を行なう上で皆さんは「困った飼い主」になっていませんか?
近年、犬の散歩中などのトラブルを多く耳にします。どこに行ってもよく耳にするのは、放置うんちの問題。大阪の泉佐野市では、平成25年7月より放置うんちに対しての罰則が作られました。
ですが、それ以外の地域ではまだそのような条例はなく。散歩中に愛犬が突然何かに身体を擦りつけ出し、よく見ると放置うんちで大変な事になってしまったと言う話を聞きました。
また、大型犬が小型犬とその飼い主に咬みついてしまった。放し飼いの犬が、通行人に咬みついてしまった。と言うニュースは全国的にも有名で、皆さんの記憶にも新しいと思います。

この咬傷事故に関するニュース。被害者は、咬みつかれた側の犬と人だけなのでしょうか。
私は、咬みついてしまった犬達も被害者のひとりだと思います。生まれた時から「人間を咬むぞ」と考えている犬はいません。むしろ、人間との共存を望んでいる動物です。
ですが、成長する過程で人間や他の動物と良い環境で関わるチャンスがなく怖がりになってしまったり、十分な運動や栄養が与えられずイライラしやすい状況になった時に攻撃性は生まれてしまいます。
咬みつく事を経験してしまうと、その犬自身も心に傷を負ってしまいます。愛犬の心身の健康を意識し、マナーを守る飼い主に飼われていれば、あの様な惨事を引き起こす事もなかったと思います。
では、マナーの良い飼い主とはどのような人なのか。私は、「周りを思いやれる人」の事だと思います。
皆さんは、「思いやりのある飼い主」になれていますか?トラブルを起こさないために守ってもらいたい8つのポイント、チェックしてみましょう。

□愛犬にあちこちで排泄をさせない。
□愛犬のうんちは必ず持ち帰り、おしっこは水で流す。
□公園の遊具のそばやスーパーの出入り口、余所のお家の玄関先などで排泄をさせない。
□公共の場でブラッシングしない。
□他の犬や人に吠えてしまった時、そのままで放ったらかしにしない。
□他人や他犬に、愛犬のペースで近づけさせないで必ず相手の了承を得るようにしている。
□ドッグラン以外でノーリードにしない。
□伸縮性のリードは、人通りの多い場所での散歩では使用しない。または、短めに固定する。

数年前のペットブームから、犬連れ可の施設などは増えました。
ですが、その一方で一部のマナーが悪い飼い主の影響で再び犬連れ禁止になってしまう施設も増えてきています。
「マナーの良い飼い主」を追求するとやるべき事はたくさんありますが、まずはこの8ポイントだけでも一人ひとりがしっかり守り、犬と飼い主と周りの人が安心して気持ちよく過ごしやすい社会を作られると良いなと思います。

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プロフィール

著/飯川綾乃
トレーナー
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM グルーミング検定、アニマルコーディネーター、JAHA看護士検定

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