愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

その16 トリセツシリーズ『トイプードル』

愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

最高のパートナーである愛犬との間で起こりうる様々な問題の解決法を、関西各地でしつけ教室を行っているドッグトレーナーの飯川さんが丁寧に解説。


前回ご紹介したヨークシャーテリアに引き続き、今回はトイプードルのトリセツです。
くるくるふわふわの毛や、ぴょんぴょん跳ねるような走り方がとっても愛らしく、現在日本で人気ナンバー1の犬種です。さみしがり屋であまえんぼな子が多く、飼い主さんと離れる事が苦手な子が多い印象です。
そんなトイプードルさんと暮らす上で押えておくべきポイントを、よく相談を受ける内容を基に5つご紹介します。

①性格はとっても繊細で、落ち込みやすいところがあります。

普段はとっても陽気な犬種ですが、飼い主さんが頻繁に怒鳴ることなどが多いと自信をなくして萎縮し、ウ~ッと唸る事が多い子になってしまいます。困った行動をしてしまう場合は、正しい行動を誘発させてあげてしっかり褒める事でまずは自信をつけさせてあげましょう。

②物音にとっても敏感で、高い声でお知らせします。

さっきまで寝ていたはずなのに、人の足音や他犬の吠え声など気になる音がした瞬間に目覚めて、その音がする方へ向いて「ワン!・・・ワン!」と警戒しながら吠える事があります。
犬の聴覚は人間の数千倍と言われていますが、そのなかでもプードルはとても敏感に反応します。怖がりさんや運動不足、社会化トレーニングの不足により、吠えやすくなってしまいます。パピーのうちにできるだけたくさんの音を聞かせたり、いろんな場所へ連れていってあげてご褒美をあげるなどの良い経験を積ませる事をお勧めします。

③ひとりぼっちが苦手さんになると、自分でヘアチェンジしちゃうことも・・・

飼い主さんの姿が見えなくなるとパニックになってしまって大きな声で鳴いたり、涎まみれになってしまったり、時には自分の毛を毟ってしまう自傷行為をしてしまう子も多く見られます。パピーのうちに、お留守番の機会を増やしたり、どこかに預けられても楽しいと思える経験を積めるようにしてあげましょう。
すでに飼い主さんと離れられない子は、吠えずに待てる距離を把握し、まずは離れる前にオヤツを入れたおもちゃなどを与え、それに夢中になっている時に離れます。そして、吠える前に飼い主さんが戻る事を繰り返し「すぐに帰ってくるんだ」と言う事を学ばせましょう。飼い主さんは、戻った時に特に過剰に褒める必要はありません。褒めると、「やっぱり早く帰ってきてほしい」と言う気持ちが強くなってしまいます。

④脱臼や骨折に要注意!

ぴょんぴょんと、垂直にジャンプする事がとっても得意です。ですが、可愛いからといってジャンプさせ過ぎると、足の関節に負担がかかって脱臼してしまったり、細い隙間に足を挟んで骨折してしまう事もあります。飼い主さんにかまってほしくてジャンプしている子は無視をして、飛びついていない時に遊んだりかまってあげるようにしましょう。飛びつきそう…というタイミングが分かる時は、跳びつく前に「オスワリ」と指示を出してとめるように先回りしましょう。

⑤こまめなお手入れを心掛けましょう。

プードルさんはくるくるした毛の特徴から、毛が抜け落ちにくいと言われています。ですがその代り、くるくるした毛に葉や埃などが絡みやすく、毛の小さなもつれも多く出来てしまいます。1日1回は、出来るだけ細部までブラッシングをしてあげましょう。また、涙や目ヤニも多く出る子が多いので、毎日拭きとってあげましょう。

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プロフィール

著/飯川綾乃
トレーナー
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM グルーミング検定、アニマルコーディネーター、JAHA看護士検定

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