愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

その3 飼い主さんが気をつけるべきおでかけマナーについて

愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

最高のパートナーである愛犬との間で起こりうる様々な問題の解決法を、関西各地でしつけ教室を行っているドッグトレーナーの飯川さんが丁寧に解説。


「ペットブーム」と呼ばれた時代は過ぎ、「ペット=家族」と言う考えが当たり前とされる時代となってきました。
10年前に比べると、ペット同伴で入れる施設は格段に増えていろいろな思い出を作れるようになりました。ですが、海外の施設や交通機関などでのペット事情に比べるとまだまだ多くの制限があります。

海外との大きな違いとして、「マナーが悪い」と言われる飼い主さんが減らないと言う事があげられます。

昔から問題とされトラブルになっている行為として、不衛生な管理からくる異臭。排泄物の放置。被毛の飛散。愛犬を吠えっぱなしで対処をしない。などがあります。
大阪府泉佐野市では、今年10月から犬の糞の放置を発見した場合1件につき10000円の過料が科せられることになりました。罰則がないと改善されないと感じられている事が、とても残念です。
これらももちろん気になりますが、私が最近すごく気になってしまう事が2点あります。

まず1つ目は、ノーリードでの愛犬のお散歩です。
車がビュンビュン行き交う道路の横や子供も多い公園で、平気でノーリードでお散歩させている飼い主さんをよく見かけます。愛犬が車道に飛び出してしまうと命に関わる大ケガを負ってしまう事もありますし、何かの拍子に驚いて他人に攻撃してしまう事もあるかもしれません。それは、リードを装着していても伸縮リードで自由に歩かせていたり、飼い主さんがすぐに犬の身体に触れられない距離で歩かせている状況も同じです。100%うちの子は咬まないし逃げないと言う保証はありません。

2つ目は、キャリーバッグから愛犬の頭や身体を出しての公共交通機関の利用です。
その交通機関でも「動物の身体が完全に入り蓋が閉められている事」と定められていますが、稀に電車の中で頭だけ出されていたり、ひどいものではキャリーバッグが座布団のように敷かれ、その上で愛犬を座らせている状況も見かけたことがあります。

この2つは、その飼い主さんと愛犬にとって問題ない事かもしれません。ですが、周りにいる人にとってはどうでしょう。犬が苦手な方も、世の中にはいます。「愛犬家でない人を、不快に感じさせない行動のできる人」それがマナーの良い人だと私は思います。
ひとりひとりがその事を意識していき、いずれは日本ももっと愛犬とおでかけしやすい環境ができる事を願っています。

バックナンバー

プロフィール

著/飯川綾乃
トレーナー
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM グルーミング検定、アニマルコーディネーター、JAHA看護士検定

こちらもおすすめ

page top