愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

その9 おでかけ先の原っぱにご用心

愛犬の「困った!」を解決 家庭犬のしつけ術

最高のパートナーである愛犬との間で起こりうる様々な問題の解決法を、関西各地でしつけ教室を行っているドッグトレーナーの飯川さんが丁寧に解説。


暖かい気候となり、レジャーやピクニックへ出かけやすい季節となりました。
愛犬が青々と茂った原っぱを楽しそうに走り回る姿を見ると、こちらまで楽しい気分になってきます。
ですが、そんな原っぱにも実は危険が潜んでいたこと、皆様ご存知でしたか?
愛犬と楽しく安全にお出かけできるよう、今日はチェックポイントを2点ご紹介します。

【ポイント①:お家に帰ったらお腹をチェック】

わんちゃんのお腹は、全身の中でも毛が少なめで直接皮膚を観察することが出来る部分です。
仔犬やはじめて草むらで遊ぶわんちゃんはもちろん、よく遊ぶわんちゃんも帰宅後に一度はお腹の皮膚を見て、内股部分から陰部やおへそにかけて赤い発疹が出ていないか確認しておきましょう。
2~3個プツプツと発疹が出ている程度だと経過を観察し、1~2日くらいで無くなった場合は何も心配ありません。
野草が皮膚と擦れたり、何かの拍子に皮膚が異物と触れて反応し、発疹が出たのかもしれません。
ですが、お腹全体的に発疹が出ていたり、鼠径部(そけいぶ)に添って発疹が出ていて脇や口元や耳の中にも発疹が出てきた場合は要注意!
まず、「お腹全体的に発疹が出ている」場合は人間で言うところの「草負け」になっているのかもしれません。
ただれがひどい場合、放置すると化膿してしまう事もあります。
そして、「鼠径部(そけいぶ)に添って発疹が出ていて脇や口元や耳の中にも発疹が出てきた場合」はアレルギーが予想されます。草を食べていなくても、身体に触れただけでアレルギー反応は出てしまいます。
どちらの場合も痒みを伴うので、気になってしまうと掻きむしり、出血してしまう事もしばしば・・・。
早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。

【ポイント②:草を食べていないかチェック】

昔、わんちゃんが草を食べる事は「虫下しのため」として良いことと扱われていましたが、近年様々な研究により草を食べるのは「ビタミン不足」「消化不良」「毛玉を吐き出したい」からだと言われています。
わんちゃんは自分の体調の変化にとても敏感で、メンテナンスをしっかりする動物なのです。
ですが、なんでもかんでも草を食べて良いわけではありません。以下のような危険性が、予測されます。
①草に付着している寄生虫を身体の中に招き入れてしまうかもしれない。
②他のわんちゃんの尿が付着していて、その尿に感染性の高い病原体が含まれていると同じ病気を発症してしまうかもしれない。
③除草剤や殺虫剤などが付着していて、嘔吐などを繰り返してしまうかもしれない。
④食べた草がわんちゃんにとって毒性の強いものの場合、中毒を起こしてしまうかもしれない。
わんちゃんが草を食べる行為は決して異常なことではありませんが、その辺の草を過剰に食べてしまう場合はリスクが高くなってしまうのでなるべくやめさせるようにしてあげましょう。
その場合、自宅などで安心安全な草を育てて与えてみても良いかもしれません。

芝生や草むらに入るお出かけをする場合、心配な時はなるべく全身を覆うような洋服を着せてお出かけすることをオススメします。

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プロフィール

著/飯川綾乃
トレーナー
専門学校での『家庭犬トレーニング』の指導、動物病院でのしつけ教室・関西を中心に訪問によるしつけ・犬のイベント企画運営に携わる。
■取得資格
愛玩動物飼養管理士、COM グルーミング検定、アニマルコーディネーター、JAHA看護士検定

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