ツルとカメ。—イケてるシニアライフを目指して—

vol.9 トイレの失敗が増えてきたら…シニア犬のトイレトレーニング①

ツルとカメ。—イケてるシニアライフを目指して—

長生きなワンちゃんと、たくさんの愛情を注いできた飼い主さん。共に歩んできた日々は家族である証です。一般的に「シニア期」と呼ばれる年齢に突入したワンちゃんと、より楽しく、充実した日々を築いていくためのヒントをご紹介します。


最近、愛犬のトイレの失敗が増えたなと感じることはないでしょうか。色々と要因は考えられますが「老化」もそのひとつなんです。部屋が汚れてしまうのでイライラしてしまいがちですが、怒ってしまうと逆効果なので、決して叱らないであげてください。適切な対処やトイレトレーニングをしてあげれば、失敗を減らすことができますよ。

シニア犬になってからトイレトレーニングと聞くと「もう遅いのでは?」と思われる方もいるでしょう。でも実は、犬は学習能力を生涯持ち続けると言われているので、いくつになってからでも遅いということはないのです。

愛犬と飼い主さん両方の負担を減らすためにも、「うちはしっかりトレーニングできているから!」という方も、もう一度愛犬のトイレの習慣を見直してみてください。

老化とトイレの関係

高齢化に伴い筋肉が衰えてしまいます。脚の筋力が低下することで、歩く速度が落ちます。そうすると、今まではどこにいてもトイレまでたどり着けていたのに、トイレから離れた場所にいると間に合わなくなってしまうのです。

また、膀胱周りの筋力が低下することで、尿を長時間ためておくことが難しくなってしまいます。さらに、一度に尿を出し切ることができず、トイレの回数が増えてしまうことも。

お散歩の時にだけ排泄する習慣がある子の場合、お散歩の時間まで我慢することが、シニア期になると大きな負担となってしまいます。さらに、足腰が弱ってくると充分にお散歩の時間を確保できなくなり、一度のお散歩でしっかりと排泄を済ませることができなくなります。

また、なんらかの病気が原因でトイレを失敗してしまっている場合もありますので、様子がおかしいなと思った時はすぐに獣医さんに診てもらいましょう。

シニア犬・成犬のトイレトレーニングは忍耐力が必要

子犬は学習能力が高いのでトイレトレーニングを覚えるのは比較的早いですが、シニア犬・成犬になると習慣が定着しているので、トレーニングを行っても子犬の時ほど早く覚えられません。

なかなか成功しないからと、飼い主さんがイライラしてしまったりプレッシャーをかけてしまうと、愛犬にとってもストレスになってしまい、余計にトレーニングが停滞してしまいます。このトレーニングは時間がかかるのだと念頭に置いて、ゆっくりと根気よく教えていきましょう。

コツは「叱らないでたくさん褒める」これだけです。

特に、トイレに失敗して叱ってしまうと、犬は「トイレをしたら叱られる」と勘違いしてしまうことにもなりかねません。失敗はすぐに忘れて、少しでも成功したら褒めてあげましょう。それが、トレーニング完了への一番の近道です。ひとつひとつの目標を低く設定して少しずつ前に進むやり方もオススメです。

子犬のトレーニング方法はこちらを参考に!

室内でトイレの習慣がある愛犬のトイレトレーニング

トイレに行ったはずなのに失敗するということはありませんか?愛犬をよく観察してみると「失敗の理由」が見えてくるかもしれません。

・トイレに行く前に失敗する

愛犬が日中よくいる場所とトイレとの間で失敗する場合は、トイレが遠いのかもしれません。トイレの場所を近くに移動させるか、トイレから離れた場所に行かないように部屋や廊下の出入り口を塞いでしまいましょう。

だからといって狭い場所に閉じ込めてしまうと運動不足になり、余計に筋力が衰えてしまうことになるので、ある程度の範囲は確保してあげてくださいね。
トイレの場所を変えた場合も、間違えて元の場所まで行ってしまうような時は、トイレの場所を覚えさせてあげる必要があります。

・いつも同じような場所で失敗する

いつのその場所で失敗してしまうなら、その場所にもトイレを置いてあげしょう。もしかするとその場所をトイレだと勘違いしているのかもしれませんね。他にも普段の行動範囲の中にいくつかトイレを置いてあげると、トイレに間に合わないという失敗も減らせます。

・ペットシートからはみ出してしまう

トイレには辿りつくのに失敗するのは、いくつか理由が考えられます。

①ペットシートが汚れていて、汚れた部分を踏まないようにしている。

神経質な犬に多いようです。この場合はこまめにペットシートを交換してあげることで改善できます。

②トイレトレーを嫌がっている。

トレーの感触や音、段差などが気になってトイレトレーに乗りたくないのかもしれません。トレーを別のものに替えてあげたり、ペットシートを直接床の上に敷いてみてください。もし踏ん張りが効かないようであれば、滑り止めを敷いてあげましょう。

③前足だけペットシートに乗ることでトイレに入っている気になっている。

勘違いしているパターンです。この場合は、まずペットシートの周りにもシートを敷きます。そしてシートの上でトイレができた時は褒めてあげます。そうすることで、「ペットシートに排泄をする」ということを覚えます。だいたいシートの上でできるようになってきたら、少しずつ周りのシートを減らしていき、本来のトイレスペースに誘導します。

また、トイレをサークルなどで囲ってしまって、確実にトイレスペースの中に入るようにする方法もありますが、逆に嫌がってトイレに入らなくなる場合もありますので、愛犬の様子を見て対応してください。

すぐにできなくて当たり前

ペットシートの上でトイレをすることを覚えている子は、そうでない子に比べると再トレーニングは容易かもしれません。それでもシニア犬になって以前より頑固になっていたり感覚が衰えてしまっていると、子犬の時に教えた時よりも時間がかかってしまうのです。「どうしてできないの!?」ではなく「次頑張ろうね!」と愛犬と一緒に飼い主さんも頑張ってトレーニングを行いましょう。

次回は、室内でトイレをする習慣がないシニア犬のトイレトレーニングの方法をご紹介します。

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