ツルとカメ。—イケてるシニアライフを目指して—
vol.10 室内でもできるようになろう…シニア犬のトイレトレーニング②
長生きなワンちゃんと、たくさんの愛情を注いできた飼い主さん。共に歩んできた日々は家族である証です。一般的に「シニア期」と呼ばれる年齢に突入したワンちゃんと、より楽しく、充実した日々を築いていくためのヒントをご紹介します。
外でトイレができるから大丈夫と思っていたら、家の中で粗相をするようになって、オムツで対処しようとしたら、嫌がってしてくれない。そんな悩みを抱えた方はいないでしょうか?
前回の記事にもあるように、シニア犬になると様々な理由でトイレを失敗してしまうことがあります。まだシニア期ではないけれど、外でしか排泄をしないという子も、いつか来るシニア期のためにトイレトレーニングを始めてみませんか?
トレーニングのコツは「叱らないでたくさん褒める」です。覚えておいてくださいね。
お散歩中にトイレをする習慣がある愛犬のトイレトレーニング
そもそも室内でトイレをする習慣が無い場合は、イチからトイレトレーニングを行わなければなりません。だいたい予想がつくと思いますが、ゼロからの子犬に比べ、シニア犬や成犬はすでに「トイレは外」と覚えてしまっているので、「室内でトイレ」を教えるのは容易ではありません。飼い主さんの忍耐力が試されるかもしれませんが、焦らずにゆっくり教えていきましょう。
褒めるときにおやつをあげる場合は、トイレトレーニング用にいつもとは違う特別感のあるおやつを用意するのも効果的です。
①掛け声を覚えてもらう。
まずはトイレの時の掛け声を決めます。愛犬が混乱しないよう、必ずご家族で同じ掛け声に揃えてください。「ワンツー」や「シーシー」など掛け声を決めたら、お散歩中に愛犬が排泄をする時に、この掛け声を聞かせます。
排泄をし始めたら、掛け声をかける
↓
排泄をする体制になったら、掛け声をかける
↓
排泄しそうな素振りを見せたら、掛け声をかける
↓
いつもの排泄の場所に行ったら、掛け声をかける
上記のように徐々に掛け声のタイミングを早めていきます。どの段階でもできたら必ず褒めてあげましょう。
②ペットシートを覚えてもらう。
掛け声と排泄が結びついてきたら、次はペットシートの感触を知ってもらいましょう。
犬はきれい好きなので、おしっこがより吸収されやすい場所を選んでするという習性を持っていて、それを利用してペットシートを覚えさせます。
お散歩中に排泄をしていたら、終わりそうなタイミングでそっとペットシートにおしっこがかかるように滑り込ませます。嫌がらなければ、後ろ足で踏ませるようにします。大丈夫そうであれば、もう少し早いタイミングで踏ませて排泄をするようにします。
足を上げておしっこをする愛犬の場合は、ペットボトルにペットシートを巻き付けたものにおしっこを当てるようにさせます。
違和感なくできるようになれば、いつもの排泄の場所に着いたら排泄をする前にシートを置いて、①で決めた掛け声をかけてみましょう。いつもの場所でペットシートを敷いてできるようになれば、ペットシートと掛け声で、散歩中どこでも排泄できるようになりましょう。ここまでできたら、いよいよお家の中での練習です。
③室内でペットシートを踏めるようにする。
まず、カーペットやマット、クッションなど、おしっこを吸収しやすい素材のものは愛犬の生活空間にできるだけ置かないようにします。室内でペットシートが最もおしっこを吸収しやすい場所だと覚えてもらうためです。
次に、愛犬の寝床から離れた場所に、広めにペットシートを敷きます。最初は外に近い玄関やお庭など、お散歩に出る前に通る場所だとスムーズに移動できるのでオススメです。
さらに、ペットシートの上に土や草、砂利などをまいて外と似た環境を作る方法もあります。この場合、慣れてきたら土や草などは徐々に減らしていきます。
そして、お散歩に行く前にペットシートに誘導します。難しい場合はおやつなどを使いますが、大好きなおやつだと興奮しすぎてしまうので、そこそこ好きなおやつで誘導しましょう。
最初は踏ませるだけで大丈夫です。ペットシートの上に乗ってすぐに降りてしまっても必ず褒めてあげましょう。ペットシートを嫌がる場合は、シートの上におやつを置きます。手前から奥へと道を作るようにおやつを並べると、おやつを追って自然とペットシートを踏むことになるので、繰り返すことで徐々にシートの感触に慣れていきます。おやつを減らしていき、おやつ無しでもペットシートに乗れるようにしてあげます。
④ペットシートの上でする練習
ペットシートの上に乗ることができたら(すぐに降りなくなったら)①の掛け声をかけます。プレッシャーを与えないように、優しく声をかけてあげてください。掛け声で排泄できなくても、ペットシートの上に乗れたことを褒めてあげましょう。
お散歩中は②を続けながら、お散歩前はペットシートの上に乗って声をかける、を繰り返します。
お散歩前の排泄ができるようになったら、お散歩前以外の時間でも、排泄の素振りを見せたらペットシートまで誘導して、掛け声をかけます。
排泄しやすいタイミングは、「目が覚めたとき」「遊んだあと」「ごはんのあと」「水を飲んだあと」です。これを目安に誘導してみてもいいですね。
自分のおしっこの匂いがついたペットシートがあるとしやすくなる子もいるそうなので、試してみてください。
上手にできるようになれば、少しずつペットシートの場所をずらして、本来トイレにしたい場所まで移動できれば、トレーニング完了です。
成犬のトイレトレーニングなら、こちらの記事もオススメです。
たまには失敗もあるけれど
トイレの失敗が減れば、旅行や万が一の避難の際にも安心して過ごすことができます。
トレーニングをしたからといって、失敗がゼロになることはないかもしれません。けれど確実に失敗の回数は減っているはずです。
できないことを数えるのではなく、できることを当たり前だと思わずにちゃんと見てあげるだけで、毎日が違ってくるのではないでしょうか。少しの失敗なら笑い飛ばせるだけの余裕が持てるといいですね。
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