ツルとカメ。—イケてるシニアライフを目指して—

vol.6 シニア犬も散歩を楽しもう!

ツルとカメ。—イケてるシニアライフを目指して—

長生きなワンちゃんと、たくさんの愛情を注いできた飼い主さん。共に歩んできた日々は家族である証です。一般的に「シニア期」と呼ばれる年齢に突入したワンちゃんと、より楽しく、充実した日々を築いていくためのヒントをご紹介します。


「散歩にあまり行きたがらなくなった」というのは、多くの飼い主さんが愛犬の「老い」を感じるポイントではないでしょうか。他にも、「あまり走らなくなった」「歩くのがゆっくりになった」「声をかけても反応しない」など。

人間も犬も同じように「老い」を迎えます。見た目は若くても体の内側が衰えてしまうのはどちらも同じです。ただ犬の方が老化のスピードが人間よりちょっと早いだけです。たとえ愛犬がシニアになっても、一緒に笑って過ごしていたいですね。

愛犬が元気にシニア期を過ごすためには、実は散歩も重要な要素だということをご存知でしょうか。今回は、そんな散歩の秘密を覗いてみましょう。

散歩ってそんなに必要?

犬にとって散歩は排泄、運動不足やストレスの解消など、様々な効果をもたらします。

シニアになると疲れやすいし足腰も弱ってくるから、散歩は控えた方がよいと考える方もいるかもしれません。もちろん必ず毎日朝晩の散歩は必須!というわけではありません。しかしあまりに減らしてしまうのもよくないようです。まずはシニ犬にとって散歩が必要な理由を見ていきましょう。

①筋力・体力の維持

散歩をすることで、筋肉をほぐして血行を促進し、代謝が上がります。関節が硬くなるのを防ぎ、運動機能を維持します。更に食事で摂取した栄養を身体中に運ぶことで、体力の維持にも繋がります。

②心の健康を保つ

散歩に出ることでストレス解消になることはもちろん、様々な刺激を受けることで気分転換になり、心の老化を遅れさせる効果があると言われています。散歩中に飼い主さんとコミュニケーション取ることで、喜びや安心感も得られます。

③体調の変化に気づく

排泄物の状態や歩き方などから、愛犬の体調の変化に気づきやすくなります。特に視力が衰えていた場合、慣れた室内では嗅覚や聴覚を使って生活できてしまうので、散歩中に急に物にぶつかるようになって初めて気づく、ということもあるそうです。

散歩が好きじゃない場合は?

シニア期にも散歩が大事だということはわかって頂けたでしょうか。だからといって嫌がる愛犬を無理に散歩に連れ出す必要もありません。もし散歩があまり好きではないのであれば、まずは散歩は楽しいものだと教えてあげましょう。シニアになってからでは遅い、なんてことはありません。

いつもは食べない特別なおやつを外であげてみたり、公園など色んな匂いをたくさん嗅げる場所でゆっくり過ごしてみてください。そうすれば少しずつ散歩の楽しさを覚えていってくれるはずです。
そして一番大事なのは、飼い主さんが「散歩って楽しいね!」と伝えてあげることです。是非、試してみてくださいね。

いつも通りの散歩でいいの?

散歩が好きな子の場合は、いつも通り散歩に出掛けて問題ありません。ただ「若い頃とは違う」ということを覚えておきましょう。あまり長い時間、長い距離を散歩するのはオススメできません。

急に歩くのが遅くなったと感じた時は、まず足に異常がないか確認します。傷や痛みがないかを確認し、特に異常がなかった場合は、愛犬の歩くペースに合わせてあげましょう。

立ち止まったり、すぐに帰ろうとするような場合も、まずは足の異常を確かめます。足に問題がない場合は、コースや時間帯などを変えてみてください。心身の衰えから、いつものコースを歩きにくいと感じていたり、明るい日差しが苦手になっていたりするので、いつも立ち止まる場所を通らないようにするなど、愛犬の様子を観察しながら調節しましょう。

同じコースや時間帯でも日によって違った反応を示す場合もあります。人間だって気分によって感じ方が変わりますよね。それと同じです。今日はあまり乗り気じゃないなと感じたら、早めに切り上げても大丈夫です。

また、散歩に出る前の準備運動として、マッサージをしてあげたり脚の屈伸運動をしてから出掛けるとケガの予防にもなり、体への負担を減らすことにもなります。身体をほぐすために、室内やお庭を少し歩かせてから出掛けるのもいいですね。

足腰が弱っていて歩くのが大変そう

元気もあるし散歩に行きたがるけれど、病気やケガなどで足腰が弱ってしまっているので困っているという方には、歩行を補助してくれる介護用ハーネスがオススメです。着用したままで排泄もできる設計のものであれば、お散歩中も気になりません。

ハーネスの代わりに大きめのタオルに足やしっぽ、排泄部分の穴をあけて使用するのも、手軽にできるので試してみてください。

どうしても歩けないという場合には、ペットカートなどで外に連れ出してあげるだけでも、気分転換になりますし、家の中では歩きたがらなかった愛犬も外に出た途端に歩く気力が湧いてくるなんてこともあるかもしれません。日光浴をさせてあげることで、体内のリズムを整える効果もあります。

散歩に行けない時は

体調や天気で散歩に行けない日が続いた時は、運動不足にならないようにしてあげましょう。マッサージやブラッシングをすることで、血行を良くして代謝を上げたり、コミュニケーションを取ることで安心感を与えます。

おやつなどを用いて、後ろ向きに歩かせるのも効果的です。犬は後ろ足から衰えやすいので、後ろ向きに歩くことで後ろ足の筋肉を動かし、筋力を維持できます。

後ろ歩きのやり方
①まず段ボールや椅子などで『狭い通路』を作ります。最初は短い距離で始めます。
②その中に犬を立たせ、向かい合い、おやつを見せます(匂いを嗅がせてもいいです)。
③犬が少し上を向くように手をかざして、ゆっくりと一歩前に出ます。方向転換ができない犬は自然と後ろに下がる形になります。

始めのうちは1歩でも下がったらしっかり褒めてご褒美をあげましょう。ゆっくりと愛犬のペースに合わせて行ってくださいね。
また、四足歩行の犬は首の筋肉だけで頭を支えています。伏せやお座りの状態でおやつを鼻先に近づけゆっくりと上下左右に頭を動かすように誘導してみます。凝り固まりやすい首周りの筋肉をほぐす効果があります。

他にも、室内でできる運動については、こちらのトピックスを参考にしてみてください。

愛犬とのんびり過ごす

シニア期を迎えた愛犬は、若い頃の元気いっぱいだった頃とは変わってしまっています。まずはその変化を受け入れて、ゆったりとした時間を共有するのも大切です。目に見える身体の老いとは違い、気づきにくい心の老いは、飼い主さんの愛情でケアしてあげることが可能です。短い時間でも一緒に出掛けることで、幸福感を与え、心に様々な効果をもたらします。元気で楽しいシニアライフを、一緒に考えてあげてくださいね。

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