ドッグトレーナーの世界一周わんっ!ワールド!!

Vol.32 インドの流行りはパグ??宿の主人から聞いたインドの犬事情について

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299naviコラム「ペットと一緒に暮らすために」の著者 山形祝代さんがご結婚され、現在ご夫婦で世界を旅しています。
そこで出会った世界の犬たち。実際に目で見たり体験したことを、日本で約15年間、ドッグインストラクターとして仕事をしてきた経験も踏まえ、リアルな世界の犬のことを伝えてくれるコラムです。


2017年8月下旬から2週間程、西インドを旅しました。
西インドには、エローラ、アジャンタなど有名な遺跡がたくさんあり、インド人の彫刻に対する繊細な仕事ぶりに驚かされました。
また砂漠地帯もあり、ラクダに乗り砂漠を行く、キャメルサファリも有名です。

今回はそんな西インドの『ジャイプル』の宿で、犬好きの主人から聞いたインドの犬事情について書きたいと思います。

その宿の名前は『Tommy`s Guest House』
日本人に有名な宿です。
宿の主人の家でもある宿では、パグが2頭飼われていました。
女の子の名前はハッピー、男の子は忘れてしまいました。
ハッピーは4歳、男の子はまだ4ヶ月の遊びたい盛りでした。
ハッピーは最近知り合いの犬と交配し、子供を3頭産んでいたので、生後1ヶ月の子供達もハッピーと一緒に宿にいました。

【ハッピーと子供たち】

【授乳中のハッピー】

【男の子】

インド旅行中にパグを見る機会が多く、パグが流行っているのかな?と疑問に思っていたので、そのことについてこの宿のオーナーに尋ねてみました。
すると、「確かにパグは流行っている。それは、携帯電話会社のボーダフォンがCMにパグを使ったからだ。」という答えが返ってきました。
後日、そのCMで使われているポスターを見かけました。

そのポスターに使われていたのは、毛色がフォーンのパグでした。ですので、CMで使われたフォーンの毛色のパグが、インド人の間では人気があるのだそうです。しかし、最近はブラックも珍しいということで人気が出てきたらしいです。

【ボーダフォンのポスター1】

【ボーダフォンのポスター2】

どこの国でも、テレビのCMで使われた犬は一時的に流行る傾向があります。
その時にその犬の特性をしっかり理解して飼うのは問題ありませんが、CMのイメージだけで飼い始めると、人にとっても犬にとっても不幸な結果になる場合があります。犬を飼う時は流行りではなく、しっかっり考えて飼い始めて欲しいと思います。

それでは、インドではどのようにして犬を手に入れるのでしょうか?
インドにもペットショップがありますが、生体を販売しているところを、私達がインド滞在中には見かけませんでした。
路上で雑種の子犬を販売しているのは、見かけたことがあります。
宿のオーナーにどのようにして純血種を手に入れるか尋ねたら、エージェントに頼むのが一般的だと教えてくれました。

エージェントに自分の希望(犬種や性別など)を伝え、条件にあった犬を探してもらいます。
条件にあった犬が見つかり、購入が決まったら、依頼主がエージェントにいくらか支払うのだそうです。

また、インドではブリーダーもいますが、一般家庭で交配させて、犬を販売することも行われているようです。
宿のオーナーの話しでは、純血種はだいたい20,000ルピー程(約60,000円)で販売されているそうです。
インドを旅した私達の感覚からインドの物価は日本の5分の1程度だと認識しています。
なので、その金額はインド人からすると30万円ぐらいする感覚だと思います。
また犬を交配させる場合、飼い主同士の話し合いにもよるけれど、オス犬の飼い主にメス犬の飼い主が1,000ルピー(約3,000円)を払うか、産まれた子犬を1頭渡すかどちらかするそうです。

宿の主人は、歴代ドーベルマンやシェパードなどの大型犬を飼ってきたこともあり、かなりの愛犬家でした。
母犬の乳の出が悪いから、犬用のミルクを買ってきて子犬に与え、母犬には栄養が必要だからと、3kg1800ルピー(約5400円)もするドッグフードを与え、ハッピーは自分の娘で子供は自分の孫も同然だと、献身的にお世話をしていました。
また、産まれた子供は、かわいがってくれる家族をエージェントには頼まず、自分で見つけること、次に交配するのは、母犬の負担も考えて、最低でも1年は期間を空けることも話してくれました。

特定の犬種が流行ると、母犬の負担や近親交配など、何も考えずとにかく、その流行り中にたくさん販売出来るように、たくさん子犬を産ませようとするブリーダーもいます。
無理な交配をすると、病気になりやすい体の弱い子が産まれたり、犬の性質も歪んでしまうことがあります。過剰に怖がりだったり、いきなりキレてしまったり、異常に攻撃的だったり、私もそんな犬達を、流行り犬種の中でたくさん見てきました。
需要があるからこそ、そういった悪徳と呼ばれるブリーダーが生まれます。
一番大切なのは、消費者が賢くなることだと私は思います。

今回は宿の主人から聞いたインドの犬事情を書きました。

インドを旅している中で、職業を聞かれる機会は多く、ドッグトレーナーと答えるとみんな怪訝そうな顔をして、どういう仕事なのか尋ねてきます。
インドでは路上でたくさんの野良犬が生活しています。
野良犬は、様々な病気を持っている可能性があるし、そんな野良犬に一度は吠えられた経験のある人が多いインドでは、犬が好きな人は日本よりも多くありません。
また、犬を飼うにはある程度のお金が必要なので、犬をきちんと飼えるのはある程度のお金持ちに限定されます。
かと言って、インド人が犬をかわいがっていないかと言えばそうでもなく、路上でかわいがられている犬をたくさん見る機会もありました。
インドで、犬についての正しい知識が広がるのも、そう遠い未来ではなさそうです。

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プロフィール

磯崎 祝代
専門学校にて、犬の学習理論やトレーニングについて学んだ後、アシスタントを経て独立し、DOGECO(株式会社do)を設立。動物病院でのしつけ方教室の開催、訪問によるトレーニング、シッター、犬と楽しめるイベント企画運営、犬の幼稚園の運営、専門学校や高校生にむけた授業、コラムの執筆などの業務を行う。
13年運営してきたDOGECOを解散し現在は主人と一緒に世界を旅行中。今まで経験を踏まえ私の目で見た世界の犬のことをお伝えできたらと思います。

Blog→旅やねん(http://ason-de-kurasu.com/)
Facebook→旅やねん(https://www.facebook.com/asondekurasu/)
instagram→japanese_dog_hana

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