ドッグトレーナーの世界一周わんっ!ワールド!!

Vol.31 野良犬だらけのインドでアニマルレスキューの活動に参加しました。

ドッグトレーナーの世界一周わんっ!ワールド!!

299naviコラム「ペットと一緒に暮らすために」の著者 山形祝代さんがご結婚され、現在ご夫婦で世界を旅しています。
そこで出会った世界の犬たち。実際に目で見たり体験したことを、日本で約15年間、ドッグインストラクターとして仕事をしてきた経験も踏まえ、リアルな世界の犬のことを伝えてくれるコラムです。


2017年9月中旬からの約1ヶ月北インドを旅しました。
以前のコラムに書きましたが、鞄を盗られたことがきっかけで、『ダラムサラ』で開かれたドッグショーを見に行くことになりました。
そのドッグショーでは5店舗程ブースが出店していたのですが、その中の1つに『ダラムサラアニマルレスキュー』のブースがありました。

【アニマルレスキューのブースで出会った犬】

インドでは、たくさんの犬が路上で生活しています。
そんな国でまさか、アニマルレスキューがあるなんて思ってもいなかったので、興味を持ち、その場で少し話しをさせてもらいました。
それがきっかけで、次の日、施設を訪れてボランティアをさせてもらうことになりました。

今回は、『ダラムサラアニマルレスキュー』でのボランティア活動について書きたいと思います。

ダラムサラの郊外にダラムサラアニマルレスキューはあります。
宿泊していたマクロードガンジーから、バスを乗り継いで行き、そこから歩く予定だったのですが、スタッフの方が迎えに来てくれました。

到着した時は、ミーティングの最中でした。
到着した施設は、動物病院が併設されていて営業時間内には、一般人も愛犬を連れて訪れていました。
ただ、動物病院に入るには、保護された犬が飼育されている囲いの中を通らなければならず、その犬達が一斉に吠えるので、訪れた犬はそんなところ通れないよと、尻込みしていました。
犬の世界で、威嚇されているにもかかわらず、その犬に近付いたり、ましてその間を通ることはありえず、絶対にさけたい場面です。
無理に引っ張る飼い主、尻込みして進めない犬。かわいそうですが、狭い施設なので仕方ありません。

日本でアニマルレスキューが保護する犬は、野良犬、飼い主から捨てられた犬、崩壊したブリーダーが繁殖していた犬、適切に飼われていない犬など様々です。
インドでは、たくさんの野良犬が路上で生活しています。
保護する犬と保護しない犬とは何が違うのでしょうか?
ここでは、基本的に路上で生活することが困難だと判断された犬が保護の対象となります。
例えば、交通事故などで怪我を負った犬、酷い皮膚病や栄養失調の犬などです。
保護された犬は、治療され、症状が改善されれば路上に返されます。
しかし、皮膚病や栄養失調は、路上に帰ると再発しやすく、この先路上で生活するのが困難だと判断された場合は、新しい飼い主が現れるまで施設内で生活します。

【ケガをおって療養中の犬】

新しい飼い主は、インド人はもちろん、インターネットを見て申し出てくれるアメリカ人やカナダ人も多いのだそうです。

保護された時点で、老犬だったり、路上での生活が困難だけど、飼い主が見つからない犬達はここで余生を送ります。
老犬は、基本的には繋がれたり囲いに入れられたりしていないので、施設内を自由に歩き回ったり日向ぼっこをしていました。

【施設内を自由に歩く老犬 】

【日向ぼっこする老犬】

犬達の生活空間は、基本的には、若い犬の部屋と年上の犬の部屋の2つに分かれています。
犬の相性などを見て、どの犬達を一緒に入れるか判断するそうで、1つの空間には8頭程が生活していました。

【犬達がおもにいるスペース2つに分かれている】

子犬は別の場所で室内飼育されています。
夜はスタッフと一緒に寝るのだそうで、部屋にはベットがおいてありました。

【子犬】

【スタッフ用のベット】

現在治療中の傷ついた犬も別の場所にいました。
この子は、交通事故で足に傷を負っていました。

施設のリーダーは、イギリス人で、獣医師、トリマー、犬達のお世話をする飼育スタッフは現地に暮らすインド人でした。
この施設で私がボランティアとして行ったのは、散歩です。
以前、日本にいた時にも、アニマルレスキューにボランティアに行ったことがあります。
長期のボランティアではなく、短期でも1番やりやすい仕事が散歩です。
施設には、たくさんの犬達が生活しており、その犬達を毎日、1頭1頭長時間散歩に行くことは、通常業務に支障をきたしてしまう為、難しいです。
ですので、ボランティアに散歩に行ってもらうと、とても助かります。犬にとっても、人に向き合ってもらう時間が増え、外にも長い時間出れるので、ストレスの発散に繋がります。

施設の見学と説明を一通りしてもらった後に1頭、1頭、散歩に連れ出しました。
元々野良犬だった彼らは、リードを付けた経験が少なく、リードに慣れていない子もいました。
そんな子達は、リードを少しでも引くと、その場で停まってしばらく動かなくなってしまいます。かと思えば、リードなんか関係なく、ズンズン引っ張って行く子もいれば、リードの範囲内でお利口に付いて来る子もいます。

【散歩】

犬の性格も反応も本当に様々で、犬を飼おうと考えている人は一度ボランティアに行き、犬のお世話をすることを経験してみるのも良いと思います。
また、トリマーやトレーナー、獣医師など犬と関わるプロの仕事に就こうと考えている人も、様々な犬と触れ合い、それぞれにあった対応を学ぶ良い機会になると思います。

私が日本でドッグトレーナーの仕事をしていたと話すと、しつけ教室を開催する時間を少しつくってくれました。
しつけ教室は、スタッフ5人がそれぞれ1頭ずつ犬をハンドリングする形で行いました。
でも、ここにいる犬と日本にいる犬とは違います。
日本では、家庭で生活するのに必要なトレーニングを行いますが、ここにいる子達の大半は元気になれば路上に戻り路上で生活を行います。

現状をしっかり把握できていない今、路上で生活する上で必要なトレーニングはすぐに思いつきませんでした。
ですので、とにかくスタッフには、犬と関わりたい、何か教えたい、接し方を学びたいという気持ちを大事に、今持っているそのやる気を持続してもらうこと、とにかく、犬のトレーニングって楽しいんだという印象を持ってもらうことに、重点をおきました。

ただ、それを行ったばっかりに、人を見て喜んでかけよるような子になってしまうと、路上では生活しにくいのでは?など、様々なことを考えると私が行った内容は本当に良かったのか今も疑問に思っています。たぶんその答えは、インドで生活し、ボランティアに1年程通い現状を知らなければ出ない答えだと思いました。

人から聞いた話だけではなく、現状を自分の目で見て経験して確かめることは非常に大切です。

さて、ボランティア活動の話に戻りましょう。
散歩の後は、ご飯の時間です。
ここでのご飯は、肉と内臓と野菜とご飯を煮込んだスープに生卵をトッピングしたものでした。
インドの路上で生活している人々よりも豪華なご飯です。また、路上で生活していた彼らにとっても夢のような豪華なご飯でしょう。
路上に戻されても、ここでの生活が忘れられず戻ってくる子もいるのではないかと思ってしまいました。

ご飯の後、犬達は排泄をして休みます。
その排泄の処理をしたら、この施設の1日のスケジュールが終わり多くの職員は帰宅します。

この施設にいる犬達はみんな、基本的には人が大好きでフレンドリーな良い子ばかりで、施設のスタッフが献身的にお世話をしているのがわかりました。

この施設でボランティアしたことは、私にとって犬と人との関わりとは?犬のトレーニングとは?を考える良い機会になりました。

犬を今から飼おうと考えている方、犬と関わる仕事に就こうと考えている方、もし興味があれば、一度保護犬のボランティア活動に参加してみてはいかがでしょうか。

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プロフィール

磯崎 祝代
専門学校にて、犬の学習理論やトレーニングについて学んだ後、アシスタントを経て独立し、DOGECO(株式会社do)を設立。動物病院でのしつけ方教室の開催、訪問によるトレーニング、シッター、犬と楽しめるイベント企画運営、犬の幼稚園の運営、専門学校や高校生にむけた授業、コラムの執筆などの業務を行う。
13年運営してきたDOGECOを解散し現在は主人と一緒に世界を旅行中。今まで経験を踏まえ私の目で見た世界の犬のことをお伝えできたらと思います。

Blog→旅やねん(http://ason-de-kurasu.com/)
Facebook→旅やねん(https://www.facebook.com/asondekurasu/)
instagram→japanese_dog_hana

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