ドッグライフプランはしもとさんの日日是好日コラム

第8回リーダーシップの迷信

大阪市内を中心に活動中のドッグライフカウンセラードッグライフプランはしもとさんによるワンちゃんとの暮らしにまつわるコラムです。

犬は、家族を含めて一つの群れとなり、その中で順位をつける生き物だと昔から言われてきました。最近になって「犬は家族と同一の群れとは考えず、順位もつけない」という説も出てきていますが、私は、犬はやはり自分を含めて家族を一つの群れと考えその中での順位を決めているのではないかと思っています。

リーダーシップと言えば昔から、「○○をしたら犬が上位になるので良くない」とされていることがいくつかあります。実はその中には、まったくリーダーシップの確立に関係の無いこともあるのです。今回は、そんなリーダーシップの迷信を紹介しようと思います。

（1）犬を目線より高いところにいさせたらダメ！？

これはそうとも言い切れません。リーダーになった犬は群れ全体を見渡す必要があるため高く見晴らしの良いところにいるのかもしれませんが、高いところに行けばリーダーになるということにはなりません。そもそも、目線が高くてリーダーになれるのであれば、飼い主さんの方が目線の高い時間は長いはずです。それなのに、ワンちゃんが上位になって困っているご家庭があるということは、目線の高さは関係ないのです。

（2）一緒に寝たらダメ！？

これも冷静に考えるとおかしいことに気づきます。一緒に寝るだけでなぜ犬だけが上位になるのでしょうか。同じ条件なら人間が上位になってもイイはずです。現に私は愛犬と一緒に寝ています（もちろん別々に寝ることもできます）が、愛犬が私より上位であるとは思えない快適な暮らしができています。一緒に寝ること自体はリーダーシップとは無関係なのです。

（3）散歩で前を歩かせたらダメ！？

これも関係ありません。ただし「愛犬が立ち止って左に行きたい！と踏ん張ったときに、本当は右に行きたいのに左にしか行けない」というように、愛犬の行きたい方向にしか行けないのはＮＧです。行先は飼い主さんが責任を持って決めて愛犬を連れていくようにしますが、犬が前を歩いたとしてもリーダーシップには影響しません。

曲がり角などで愛犬が前を歩いていると出合い頭の事故にあう可能性があるので、場面場面では安全管理のため前を歩かせない方が良いのですが、特別な理由が無ければ前を歩いても問題はありません。

（4）ソファに乗せたらダメ！？

「ソファに乗っている愛犬をどかせようとしたら唸ってきたのでどかせられない」というのは良くありませんが、いつでもどかせられるのであれば、愛犬がソファで寝ようが、どこで寝ようが関係ありません。犬は快適な場所を見つける名人です。「快適な場所は飼い主の場所」という説はありましたが、そもそも犬と人間では快適な場所は必ずしも一致するとは限りません。