ドッグライフプランはしもとさんの日日是好日コラム
第26回「ウレション」
大阪市内を中心に活動中のドッグライフカウンセラードッグライフプランはしもとさんによるワンちゃんとの暮らしにまつわるコラムです。
ワンちゃんが大喜びしたときにオシッコをもらすことを「ウレション」と言います。
留守番から飼い主さんが帰ってきた時、トリミングサロンに飼い主さんが迎えに行ったときなど、再会の時によく見られますが、ちょっと撫でただけでも漏らす子もいます。
今回はそんな「ウレション」のメカニズムと直し方を紹介します。
まずウレションのメカニズムです。
排尿に関して、膀胱は大きく二種類の筋肉の影響を受けています。
1つは膀胱を圧迫する筋肉=「排尿筋」で、排尿筋によって圧迫されることで膀胱の中の尿は外に送り出されます。
この筋肉は常に圧迫するように働く筋肉で、通常は脳からの指令により勝手に圧迫しないようにロックされています。
もう1つは膀胱の出入り口を収縮させる筋肉=「尿道括約筋」で、この筋肉がゆるむことにより、膀胱の中の尿が外に出ていけるようになります。
放っておくと常に緩んだ状態になり漏れてしまうので、これも脳からの指令でロックされて、勝手に緩まないようになっています。
排尿する時は脳の指令を受けてそれらのロックが外れることで、「排尿筋」が膀胱を圧迫し、膀胱の出口は「尿道括約筋」が緩むことで開きます。
こうすることで排尿されるわけですね。
極度の恐怖を覚えたり、訳が分からないくらいうれしいことがあったとき、脳の「排尿筋」と「尿道括約筋」に対するロックが無意識に外れてしまい、意思に反して排尿してしまいます。
そうしているうちに、「喜び」が原因で脳のロックが外れてしまうことで、オシッコを無意識に漏らしてしまうのが、ウレションのメカニズムです。
では、ウレションをどう予防し、直していけばいいのでしょうか。
簡単にいうと、落ち着かせる接し方を覚えることです。
ご家族が帰ってきた時にハイテンションになりオシッコを漏らすワンちゃんを例にとりましょう。
このご家庭では、ご家族が帰ってきた時のワンちゃんの出迎えが大げさすぎる可能性があります。
必要以上に喜ばせたたためおしっこを漏らしてしまい、今度はそのことに対して大騒ぎ。
これではワンちゃんも飼い主さんを見た瞬間、その喜びを想像して一人で勝手に大喜びし、ウレションをしてしまうようになりがちです。
この時に接し方を少し変えてあげるだけで、ウレションの頻度は劇的に下がっていきます。
まず帰宅時、ワンちゃんが熱烈お出迎えをしてきたら、普通の声でにっこり微笑んで「ただいま」と声をかけるだけにしてみましょう。
そのうえで、荷物を片づけたり着替えをしたりして、それから、しっかりとコミュニケーションを取ればいいのです。
片付けや着替えをしているときに愛犬がついてくるようなら「まだ片付けしてるから遊べないよ」と静かに話しかけてあげても良いです。
「家族の帰宅時は愛犬を無視しましょう」という手法もありますが、完全無視は愛犬との心が離れてしまうので私はお勧めしません。
テンションが上がらない程度に話しかけてあげるくらいのことはしていただきたいです。
また、日ごろから愛犬のテンションを上げるだけでなく、下げる接し方も習慣づけておくと良いでしょう。
着替えなどが終わり愛犬と接するタイミングでは、毛並みに沿ってゆっくり撫でて、落ち着いた声をかけます。
元気いっぱい遊んだあとにも、同じようにしてテンションを落とす習慣をつけておくのです。
そうすれば、ワンちゃんも「飼い主さんと静かに落ち着いた」時間の過ごし方を学べるので、ウレションの対策になっていきます。
ウレションは多くの場合、ワンちゃんが大人になっていくにしたがってなくなっていきますが、飼い主さんの接し方に間違いがあると、なくなるまでの期間が長くなりますし、いつまでも続くことになるかもしれません。
落ち着かせる接し方や上手な帰宅のしかたはとても重要な生活の習慣です。ぜひ参考にしてみてくださいね!
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代表者 橋本貴士
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