ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

第22回 それっておかしくないですか?~後編~

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のワンちゃんの問題行動にまつわるエッセイです。


※前回の記事の続きをお送りいたします。

おかしな情報あるあるその3:
「犬のしつけ本に書いてあったので」

これはとても勉強熱心な飼い主さんにあることです。犬のしつけ本にあることをまるまる実践する方。
犬も生き物ですので、性格や性質など異なっています。
そこで、本にあることをそのまま実践すると、うまくいく場合もあれば、そうでないこともあるのです。

よく、子犬の頃にじゃれ咬み(飼い主さんは甘咬みという方が多い)を直そうと、本に書いてあったからと犬のマズルをつかんで、咬むことを防ぐマズルコントロールを実践する飼い主さんがいます。
基本的に私はそういったやり方をしてじゃれ咬みを直そうとしません。
なぜかというと、それでとおとなしくなる子犬もいるかもしれませんが、大抵は、マズルをつかまれないように、飼い主さんの手を見ると必死で口を使って抵抗し、余計興奮してしまい、じゃれ咬みがひどくなってしまう子もいるからです。

この時点で、おかしいなと思うのですが、真面目な飼い主さんはやはり本は正しいのだ、自分のやり方が間違っているのかもとマズルコントロールを繰り返し、状況は悪化していくのです。
そう。なので本の情報を鵜呑みにすることはおすすめできません。

おかしな情報あるあるその4:
「1匹でお留守番をするより、2匹いたほうが良い」という理由で2匹目を迎え入れる。

若しくは老犬になってきたら、子犬がいた方が元気になると言って2匹目を迎え入れるパターン。

1匹でお留守番ができない分離関連障害(分離不安)を抱えている犬の場合は、飼い主さんにべったりです。
そんなところに子犬を迎え入れても、嫉妬はするし、お留守番も2匹一緒だから平気にはなりません。

研究で、犬はお留守番の際に、他の犬と一緒にいるよりも、見知らぬ人でも、人と一緒にいる方を好むという結果がでているくらいです。
そして、犬嫌いの犬の場合は、ただただ予測のできない子犬の激しい動きは、不安になるばかりなのです。
老犬だって、子犬の体力に圧倒されてしまいます。
私が2匹目を迎え入れるというアイデアに賛成できるのは、よほど先住犬が犬好きで受け入れることができる性格であるのか、2匹目も保護犬などある程度の年齢で落ち着いた性格であればの場合です。

おかしな情報あるあるその5:
「この犬種は食糞が治らないときいた」とか、生まれつき食糞を続ける犬がいる説。

そんなことは絶対にありません。

子犬の頃の食糞ではなく、成犬になっても食糞し続ける犬の場合。
食糞の原因は、臨床的に問題が無い限り、散歩や探索行動が不十分だったり、日々の生活環境が原因で慢性的なストレスを感じていることが多いのです。
そのため、イヌのうんちに、ペットショップで売っているイヌが嫌いな匂いがするものをふりかけたりしても、根本的な原因を解決しない限りは食糞を繰り返します。
根本的な原因を探すために専門家に依頼することをお勧めします。

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プロフィール

佐藤 えり奈(さとう えりな)/京都市生まれ
ペット心理行動カウンセラー/行動コンサルタント/CAPBT MEMBER
伴侶動物行動学・養成資格
Diploma in the Practical Aspetcts of Companion Animal Behaviour and Training(英国COAPE公認資格)
ミネソタ大学 理学士
University of Minnesota Twin Cities B.Sc.
生物科学部生態進化行動学科卒業(米国)

幼少の頃から、大の犬好きが高じて犬の行動カウンセラーとなる。アメリカで行動学を、イギリスで犬猫の行動心理学を学び、現在は、関西を中心に犬の心理状態を考慮しつつ、行動学をもとに問題行動を解決するペット心理行動カウンセラーとして活動中。
著書に「イヌの「困った!」を解決する」(サイエンス・アイ新書)

◇関連リンク◇
佐藤えり奈先生のホームページ → http://www.petbehaviorist.info/

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