ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

第17回 ヨーロッパ犬紀行~フランス編~

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のワンちゃんの問題行動にまつわるエッセイです。


研修を兼ねつつ、ヨーロッパに旅行に行ってきました。
今回は、3回に分けて、ヨーロッパ各国で出会った犬たちの様子をお話します。
あくまでも数日間滞在した私の私的な意見です。

さて、まずはフランス、パリ編。
上品なマダムが連れているのは、大抵きれいにトリミングされたトイプードルや、ヨークシャーテリア。
スタイル抜群のパリジェンヌやおしゃれな男性が連れているのは、パグやフレンチブルドッグ。
飼い主の年代別に人気の犬種があるのかなと感じました。
日本でも人気犬種はあるけれども、あまり飼い主の「世代」とは関係がない気がしていたので、ちょっと私にとっては新しい発見でした。(たまたまかもしれませんが)

パリは基本的にどこにでも犬を連れて行けるのでしょう。
地下鉄で「あら、素敵な毛皮のコートを手に持っていらっしゃる」と思って少し年配のマダムを見ていると・・・彼女が手にもっている真っ黒のツヤツヤのコートがむくりと動いたり!
そう、私がコートだと思っていたのは、女性に抱っこされた真っ黒のペキニーズだったのです。

犬も地下鉄に乗れるようで、何度かこういった光景を目撃しましたが、どの子もおとなしく乗っていました。
パリの地下鉄はかなり揺れるので、こんな中で座れず犬を抱っこするのはなかなか慣れていないと難しいことでしょう。
しかも時には、混雑している地下鉄に、アコーディオンを持った男性が乗り込んできて、大音量で演奏したり、カラオケしたり!彼らはこうやってお金を稼いでいるのです。
しかし、犬たちも慣れたもので吠えたりすることもなく、落ちついた様子。

パリにはたくさんカフェがありますが、テラスで犬を抱っこしている人も見ました。
ディジョンのレストランでは、お店の中でも犬を連れている人がいました。
デパートの中でも、リードにつながれておとなしく歩いているチワワを見ました。
エスカレーターもひょいひょい、慣れたものです。

パリの街中で見た犬は、全体的に小型犬が多く、みんなかわいらしい洋服を着ていました。
オシャレな街、パリ。ではありますが、やはり犬の洋服は日本のセンスには叶うまい。
「犬が洋服を着ている街」というと、パリの他に私が思うのは、ロサンゼルス。
しかし、ここでもやはり、日本の犬の洋服のセンスは抜群でした。(現に私のアメリカ人の友人は、いつも日本で愛犬チワワの服を調達しています。)

パリの犬がみんな服を着ていると思いきや、まったくそうではなく、パリには服をきていない犬もたくさんいます。
そう、ホームレスに連れられている犬たちです。
パリには街中や駅で、ホームレスの人をよく見ます。
昨年の夏にパリに行ったときは、犬や猫連れのホームレスはほとんどいなかったように思えましたが、今回はホームレスの半分位は犬猫を連れていたように感じました。
犬猫用のベッドを敷いて、そこに犬と猫が仲良く寝そべっているのです。
一瞬、商売道具か?!と思ったけれども、よく見ると、犬達はふかふかのベッドに寝ているけれども、ホームレスのおじさん自身は何もない冷たい地面に座っていたり、犬たちの側にはドッグフードときれいなお水が置いてあったり。
ああ、大切にされているんだ。疑ってごめんなさい。と心の中で謝っていました。

あるとき、駅の構内を歩いていると、アイリッシュウルフハウンドと思われる大きな犬を連れたおじさんとすれ違いました。
犬の大きさはおそらく、立ち上がるとおじさんより背が高いことでしょう。
次の日、また同じ駅を通ると、おじさんが駅構内で犬と座りこんでいました。
まさかホームレスだったなんて!!あれほど大きい犬を連れて、駅をうろうろしていると、とても目につきます。
きっと、彼と犬が駅に毎日いると目立つし、駅員さんも周りの人も「ああ、あのホームレスだ。」とすぐにわかることでしょう。
それでもパリの駅員さんたちは、おじさんを追い出したりしないのか!と思うと、優しいのか放任なのか、パリならではだなあ。と思うのでありました。

そう、放任なのかもしれない。
基本的にパリの人は自由です。
営業時間が終わって残業になったおばちゃんは、嫌なのがあからさまに顔に出ていたし、気に入ったりすると最高の笑顔だったりする。
フランスに行く前は、フランス人って怖いのかなと思っていたけれども、彼らは自由なだけなのかと感じました。

パリの人は皆親切でした。
私が拙いフランス語で一生懸命なのを見て、哀れに思って優しくしてくれたのかもしれないですが。
日本の文化もパリでは大人気なようで、おしゃれな雑貨屋さんに入ると、ところどころ和風小物が置いてあったりするのです。
日本でもここ数年前から流行っているダウンジャケットの某ブランド店に入ったときは驚きました。
おそるおそる商品を見ていたら、全身黒で決めた金髪ハンサムガイがいろいろ説明してくれたのですが、私が日本人とわかったら、彼は『僕はすごいおたくでーす』と言い始め『スーパーサイ○人!!ハーーーッ!!』とやりだしたのです。
心なしか彼の頬は紅潮していたし、ほんとうにスーパーサイ○人に変身するのでは?!と少し期待をしてしまった私も私ですが。
そして彼はものすごく満足した顔をして『僕たちの世代は漫画はすごく人気なんだ』と熱く語っていました。(商品の説明そっちのけで)
彼の隣りではものすごい美人が、ものすごい冷たい目で彼を一瞥していた。
彼は全く動じておらず、うーん、フランス。やはり自由。

そんなわけで、フランスのパリではマダムに連れられている犬から、ホームレスと一緒に暮らす犬。様々な犬達に出会いました。
犬達の間に貧富の差はあっても、どの子も目を見ると、キラキラした目で飼い主さんのことを見つめていました。
どんな暮らしでも、大好きな飼い主さんと一緒な限り、どの子も幸せなんだなと感じたのでした。

さて、次回はイタリア編です。

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プロフィール

佐藤 えり奈(さとう えりな)/京都市生まれ
ペット心理行動カウンセラー/行動コンサルタント/CAPBT MEMBER
伴侶動物行動学・養成資格
Diploma in the Practical Aspetcts of Companion Animal Behaviour and Training(英国COAPE公認資格)
ミネソタ大学 理学士
University of Minnesota Twin Cities B.Sc.
生物科学部生態進化行動学科卒業(米国)

幼少の頃から、大の犬好きが高じて犬の行動カウンセラーとなる。アメリカで行動学を、イギリスで犬猫の行動心理学を学び、現在は、関西を中心に犬の心理状態を考慮しつつ、行動学をもとに問題行動を解決するペット心理行動カウンセラーとして活動中。
著書に「イヌの「困った!」を解決する」(サイエンス・アイ新書)

◇関連リンク◇
佐藤えり奈先生のホームページ → http://www.petbehaviorist.info/

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