ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

第7回 言葉で伝えられないから、知ってほしい。

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のエッセイ -Wanderful Life-

ペット心理行動カウンセラー佐藤えり奈先生のワンちゃんの問題行動にまつわるエッセイです。


寒い毎日が続きます。しかも、今年は雪が多いですね。
我が家のフラッフィーは雪が大好きで、雪で遊んだ後はお風呂場に直行して暖まるというのが習慣になっています。
ただ、プードルなので、雪玉が足に毛玉のように絡まり、大変寒そうです。

私事ですが、2月16日に、著書が出ます。
そのタイトルは「イヌの気持ちがわかる67の秘訣」。
イヌの習性から行動学の基本、しつけの仕方、カーミングシグナルやボディランゲージ、マニアック(?)な情報まで入れてある、もうイヌのいっぱいを、ぎゅぎゅーっと詰め込んだ欲ばりな本です。
書きたいこと、書いたらこんなになっちゃいました!というような……。
担当さんがきれいにまとめてくださったので大感謝でございます!
マンガ付きなので、漫画家さんが描いてくださったかわいい柴犬に癒されちゃいます。

……と、宣伝のようになってしまいましたが、今回の著書の中で私が強調したかったのは、イヌの表情やボディランゲージ、しぐさです。

前回のコラムでパピークラスのことを書きました。
パピークラスではイヌ同士の社会性だけではなく、基本のしつけも行います。
パピークラスは、イヌだけでなく、飼い主さんのための教室でもあるのです。

大抵パピークラスがイヌ同士、初めての対面になるのですが、ここではイヌ同士のボディランゲージがはっきりみてとれます。
尻尾や耳の位置にも注目です。
イヌがイヌに近づくとき、コミュニケーションが上手なイヌは視線を避けながら体の側面を見せてゆっくり近づきます。
そして、「遊びのおじぎ」で遊びに誘ったり、遊びがヒートアップするとフセやおすわりをしたり、上手にコミュニケーションの取り方を学びます。

イヌ同士のコミュニケーションの最中、遊びがヒートアップしてしまったり、緊張していたりするときにみられるのが、「カーミングシグナル」です。
この言葉はきいたことがある飼い主さんも多いかと思います。
カーミングシグナルは、イヌが緊張したり、ちょっと怖いときや、人とイヌの両者に対して使われる、しぐさのことです。
イヌ自身が、自分自身を落ち着けるために使うしぐさでもあります。

カウンセリング中でも、パピークラスの最中でも、フセをさせるというときに、「フセ!フセ!!なんでできないの!」と飼い主さん自身がヒートアップしてしまうときがあります。
そんなとき、イヌの様子を見てみると、体をかいたり、地面のにおいをかいだり……。
気付けば、あっちやこっちで子犬達が体をかき出した!
この動物病院、ノミがいるのじゃないの?なんて思われては大変です。
そう、これは体がかゆいというよりも、困っているカーミングシグナルなのです。

そんなときは、一旦クールダウン。
まずは完璧にできる「おすわり」をしてみて、イヌのモチベーションが上がってきたところでもう一度フセの練習ができますね。
イヌも無理矢理、嫌々飼い主のコマンドに従うわけではなく、楽しくトレーニングもできて、信頼関係がよりアップするのです。

今現在、イヌの問題行動で悩んでいるという飼い主さんがいたら、イヌがその困った行動をとる前後、そしてそれに対して飼い主さんが反応した後のイヌの行動や様子、表情に注目してみてください。
そこから問題の原因がみえてくるかもしれません。

私たちのように言葉を用いて、イヌは思っていることを飼い主に伝えられません。
だからこそ、その体で力一杯表現しています。
あなたはイヌのボディランゲージやカーミングシグナル、知っていますか?
言葉で伝えられないから、知ってほしい。

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プロフィール

佐藤 えり奈(さとう えりな)/京都市生まれ
ペット心理行動カウンセラー/行動コンサルタント/CAPBT MEMBER
伴侶動物行動学・養成資格
Diploma in the Practical Aspetcts of Companion Animal Behaviour and Training(英国COAPE公認資格)
ミネソタ大学 理学士
University of Minnesota Twin Cities B.Sc.
生物科学部生態進化行動学科卒業(米国)

幼少の頃から、大の犬好きが高じて犬の行動カウンセラーとなる。アメリカで行動学を、イギリスで犬猫の行動心理学を学び、現在は、関西を中心に犬の心理状態を考慮しつつ、行動学をもとに問題行動を解決するペット心理行動カウンセラーとして活動中。
著書に「イヌの「困った!」を解決する」(サイエンス・アイ新書)

◇関連リンク◇
佐藤えり奈先生のホームページ → http://www.petbehaviorist.info/

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