まねき猫ホスピタルの院長 石井万寿美先生に聞くわんちゃん・ねこちゃんの〝栄養〟のおはなし

第5回 蜂蜜

まねき猫ホスピタルの院長 石井万寿美先生に聞くわんちゃん・ねこちゃんの〝栄養〟のおはなし。

まねき猫ホスピタルの院長 石井万寿美先生によるワンちゃんネコちゃんの栄養にまつわるコラムです。


ペットに蜂蜜って大丈夫なの?

犬や猫の寿命が伸びていています。
正しい知識を持って飼わないと、シニアになったときに、こんな筈ではなかったということになります。

今回は、蜂蜜について考えてみましょう。
ペットに蜂蜜を与えても大丈夫? と思われるかもしれません。

答えは、少量なら、問題がないです。

(蜂蜜の含有成分)
ビタミン類は、ビタミンB1・B2・B6・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビタミンC・ビタミンKなどがあります。
ミネラル類は、カリウムを多く含んでいる他、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム・リン・亜鉛・鉄・銅・マンガンなど。(高カリウム血漿のがある腎不全の子は、控えてくださいね)
蜂蜜は、滋養強壮にもいいともいわれています。
でも、カロリーが多いのでは、と思われるかもしれませんが、実は砂糖よりもカロリーは低いのです。

蜂蜜は自然食品のために、ごくまれに食中毒の原因となるボツリヌス菌が入っていることがあります。子猫や子犬には、与えない方がいいでしょう。
そして、与えるときは、耳かき少しぐらいから始めてください。それで便の様子を見ながら、量を増やしていきましょう。

どんな蜂蜜でもいいというわけではありません。
スーパーなどで売っている安価なものではなく、マヌカハニーは通常の蜂蜜よりも抗炎症作用が高いと言われています。細菌やウィルスにも効果があるといわれています。

マヌカハニーは、ニュジーランドのマヌカの花から取れた特別な蜂蜜です。値段が少し高いですが、それでもペットの健康のことを考えるとそうでもないです。
この蜂蜜が日本で有名になったのは、ピロリ菌に効果的だという評判があることからでしょう。
イギリスの医療雑誌"Journal of the Royal Society of Medicine"の1994年の1月号Vol.87で、マヌカハニーのピロリ菌に対する繁殖の抑止や殺菌に効果的だという研究結果が掲載されたからです。
ペットのほうでは、ピロリ菌は問題にならないのですが、マヌカハニーは、歯周病や口内炎の予防になります。
これだけで口内炎に効くか? というわけではないですが、マヌカハニーを食べさせると、ステロイドの量が減ったりもする場合もあります。
こんな理由から、愛犬や愛猫にマヌカハニーを与えて、口内炎の予防、そして滋養強壮と役立てみるという生活はいかがですか?
もちろん飼い主さんにもマヌカハニーは良いので、ペットと一緒にいただくといいですよ。
シニアの子は、急に年齢を重ねるのではありません。若いうちからケアをしてもらうと、元気な生活が出来ます。一歩一歩の積み重ねで、元気で長生きの愛犬や愛猫にしていきたいものです。

(原文ママ)

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プロフィール

石井 万寿美(いしい ますみ)日本獣医皮膚病学会会員/(財)動物臨床医学研究所会員/日本動物行動学会会員
NPO-大阪活性化推進総研の出前授業の講師

1979年 大阪府立寝屋川高等学校卒業
1984年 酪農学園大学獣医学科卒業
1986年 酪農学園大学獣医学科卒業獣医学修士取得
1985年 大阪市旭区 会田動物病院にて勤務
1992/9/19 大阪府守口市にまねき猫ホスピタル開設。
現在に至る

まねき猫ホスピタル 〒535-0095 大阪府守口市八島町1-15 レジャービルシャルマン・1階
ペットと一緒にいる暮らし

【著書紹介】
老犬との幸せな暮らし方
にゃるほどジャーナル

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